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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
今日の話題3

続「安倍政権6年間の悪行・愚行」(13)

    前々回、天皇の代替わりと改元を巡っての全国的なバカはしゃぎの中で、それを冷静に分析している東京新聞の『こちら特報部』を紹介しましたが、今回はそのバカはしゃぎを危惧し、その本質を分析している記事を紹介することにします。
    日刊ゲンダイDIGITAL版の巻頭特集(2019/05/07 公開) です。

新天皇で勢いづく安倍政権と右派 「令和」で改憲の現実味

    新天皇即位にともなう10連休は、安倍政権が狙った通り、日本中が慶祝ムード一色だった。連日テレビがワッショイワッショイと盛り上げ、お祝いしなけりゃ非国民とばかりの空気が充満している。

    即位直後の今月4日に前倒しして実施された新天皇初の「一般参賀」には、平成最後の今年1月に次ぐ2番目に多い14万1130人が参集。早朝から午後まで、皇居前には大行列ができた。新天皇や皇后らが皇居宮殿のベランダに姿を見せると、全国から訪れた老若男女は日の丸の小旗を片手に「天皇陛下」「令和万歳」などの歓声を上げる。120人が体調不良を訴え、28人が熱中症で搬送されるほどの熱気だった。

    5日は、上皇夫妻が退位後初の外出でテニスクラブを私的に訪問したことがニュースで報じられていたが、思い返してみれば、4月中は退位前の天皇皇后の歩みを回顧する番組が驚くほどたくさん放送された。地方を訪れる天皇皇后へ、沿道に集まった人たちは日の丸の小旗を振り、感謝の言葉を口にし、感極まって涙する姿もあった。

    番組が情に訴えかける作りになっているから、それを見た視聴者もおのずと天皇皇后への謝意や敬服の念を抱くのだろう。
つくづく日本人は天皇や皇室が好きなのだと思うが、それを「国民性」のひと言で片づけることはできない。なぜなら、今回の新天皇即位の儀式でも分かるように、皇室には宗教色の濃い神事があり、その神事には天照大御神を祭る伊勢神宮を本宗と仰ぐ神社本庁の存在があり、その背後には戦前美化の極右団体「日本会議」が見え隠れするからである。
    安倍首相は今年の憲法記念日にも日本会議系の改憲集会にビデオメッセージを寄せ、9条改憲に改めて意欲を示すとともに、2020年の新憲法施行をめざす気持ちは変わらないと強調した。
   「令和元年という新たな時代のスタートラインに立って、私たちはどのような国づくりを進めていくのか、この国の未来像について真正面から議論を行うべき時」とも言い、改元と改憲を結び付ける意図がアリアリだった。

    国会では憲法審査会の審議がまったく進まず、与党の公明党は安倍の唱える9条への「自衛隊」明記に否定的。3日のNHK番組で、公明の北側憲法調査会長は「多くの国民は自衛隊を憲法違反だと思っていない」とまで言ってのけた。現状で来年の新憲法施行など、どう見ても無理スジなのだが、日本会議やそれに連なる議連の面々は諦めていないし、ヤル気だ。
    安倍シンパの自民党・萩生田幹事長代行は先月ネット番組で「新しい時代になったら、自民党はワイルドな憲法審査を進めていかないといけない」と言い放っている。

    野党が求めてきた改憲国民投票でのテレビCM規制をめぐり、9日に衆院憲法審が開かれるが、自民党はこれを切っ掛けに改憲議論の加速化を狙う。「国会での論議が始まればメディアも含め、世論を動かす可能性が出てくる」という不穏な気配も漂っているのである。

    聖学院大教授の石川裕一郎氏(憲法)はこう話す。

    通常5回の一般参賀の回数を1回増やしたのは安倍官邸の意向だそうですね。
    新元号や新天皇即位を政治利用し、改憲にも利用しようというのは明らかです。
    連休中、気になったのは5月1日からスタートした自民党のネット広告です。
  10代の男女5人が『新時代』への思いを語る。安倍首相も登場し、締め言葉は『未来を作りたい』です。
イメージCMのような作りで、新しい時代なのだから『変えなきゃいけない』というムードを醸し出している。
元号が替わり、代替わりもしたのだから、憲法も変えようというムードづくりなのでしょう。
政治が動いていない連休中に、あえてそうした広告を流すのにも意図を感じます.。

新時代だから新憲法」という危うい空気

    日本会議やそれに連なる議員たちが、この10年強の間に何をやってきたのかを考えれば、「令和で改憲」が非現実的とは笑っていられなくなる。実際、何年もかけて、じわじわと国民の洗脳を始めているのである。
    2006年の第1次政権で安倍が「美しい国」を掲げた頃には、その後ろ盾のように、すでに日本会議の存在があった。この「美しい国」も、安倍が好む「日本人の誇りを取り戻す」というフレーズも、もともと日本会議の理念だ。そして、安倍が第2次政権で実現させた「集団的自衛権の行使容認」「教育勅語を礼賛する愛国教育」「自虐史観を排除する歴史修正主義」は、いずれも日本会議が提言してきたものなのである。そんな安倍と日本会議が一体となって改憲に並々ならぬ意欲を見せる姿は不気味でしかない。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう警鐘を鳴らす。

    日本の宗教界、言論界、教育界、産業界など、あらゆる分野にいる右翼の結集が日本会議であり、彼らのめざすところは   天皇中心主義、自主憲法制定、対米従属です。そうした思想と一致するのが安倍政権だから全面的に協力し、支える。
    安倍首相も、平和安全法制と呼ばれる新安保法で集団的自衛権の行使を容認した。節目節目に日本会議の求める『改憲』を口にすることで求心力を維持するという関係性でもあります。そして今、日本会議は天皇の生前退位を利用して天皇中心主義をめざそうとしています。

    宗教色の濃い新天皇即位に関わる儀式を国事行為とすることに対して、憲法に抵触するとの指摘もあるのに、大メディア、特にテレビはそうした意識が全くなく、ただただお祭りムードをタレ流す。安倍や日本会議はこれにニンマリで、「わが世の春」を謳歌しているというのが憂うべき現状だ。

    4月1日の新元号発表から1カ月。この国は『国民の国』ではなく、『天皇の国』になってしまいました。天皇の代替わりに合わせ、安倍政権は『新しい時代には新しい憲法を』という考え方を国民に浸透させようとしています。これから、あらゆる機会を使って大々的にこの『新時代に新憲法』が打ち出されていくことになるでしょう。その時、メディアがどう伝えるのか。今回の新天皇即位の報道のように、改憲でも政府と歩調を合わせて報じるようなことになったら危険極まりない。改元ムードの中で行われた最近の世論調査では、『改憲すべき』と『改憲すべきではない』が拮抗してきていました。冷静さが必要です」(金子勝氏=前出)


お祭り騒ぎのまま参院選突入の恐ろしさ

    連休が明けても、今月末にはトランプ米大統領が来日し、即位後初の国賓として新天皇と面会する。安倍がこの機会をトコトン利用しようとするだろうことは想像に難くない。過去のトランプ来日同様、メディアもトランプ報道一色となり、そこへ新天皇が加わり、またもやお祭り騒ぎになりかねない。この異常なまでの1億総慶祝ムードのまま夏の参院選に突入でもしたら、本当に危うい。

   法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。

     第2次安倍政権の6年間で、日本社会は右傾化が進みました。民主的な運動が敵視され、ヘイトスピーチが広がり、マスコミは政権を忖度する。そんな中で新元号と天皇の代替わりを、政権はフィーバーとも言えるお祭り騒ぎに演出し、マスコミもそれに乗っかった。これで政権への同調圧力がますます強まりました。政権としてはこの雰囲気を維持したまま支持率上昇に結びつけ、参院選へなだれ込みたいと考えているでしょう。野党は何としても分かりやすい対立軸を提起し、本気で共闘を進めなければなりません。『元号と天皇が替わったのだから憲法も変えよう』ではなく、『元号と天皇が替わったのだから、首相も代えよう』ですよ。

    安倍政権は、参院選後に改憲派の日本維新の会だけでなく、国民民主党を取り込んででも3分の2維持をめざすつもりだという。そんな野望を打ち砕くほどに自公を参院選で大惨敗させなければ、「令和で改憲」が現実になってしまいかねない。今、その瀬戸際にある。

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