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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
今日の話題3

米国の属国・日本(13)

 1月6日付け東京新聞の「本音のコラム」は山口二郎(法政大学教授)さんの「辺野古新基地建設」問題に関する論説でした。
 まず、「忖度による自縛」と題するその論説を転載しておきます。


    辺野古新基地建設は日米同盟のたに不可欠というのは本当だろうか。
  日本政府が米国と再交渉するのが面倒なので、遮二寧二基地建設を進めているとしか、私には思えない。

  九年前、当時の鳩山政権の下で辺野古問題が紛糾していた時、私は当時の駐日米国大使のジョン・ルース氏と長時間話をしたことがある。彼は私に次のように言った。
 「新しく選ばれた政府も前の政権が外国と結んだ約束を実行しなければならないと、我々は言おうと思えば言ったが、そうは言わなかった。日本は民主主義の国であり、国民が選んだ政府が新しい提案を持ってくるなら、それもあるだろう。ボールは日本の側にある」

  日本政府は県外移設について一度も米国に提案をしたことはない。県外移設は米国に拒絶されたのではない。それ以前の段階で、国内の諸勢力が県外移設構想をつぶしたのである。選挙で新しい民意が示され、基地建設計画を取り巻く環境が変わったと言えば、結論が変わるかどうかは別として、話し合いはできるはずである。話し合いから新たな解を見つけるのが政治の妙である。

  安倍首相は国内の権力者であり、官僚もメディアも忖度し、ご機嫌を取る。その首相も自分より強い権力者には忖度し、国民の思いを伝えることができない。これこそ、日本政治の不幸である。

      その米国への忖度が安倍政権の無知で無謀な辺野古への強引な政策の引き金となっていった。
 その強引な政策が引き起こしている嘆かわしい事態を『週刊金曜日』(11月4日/12月21日合併号)の安倍岳(たかし:「沖縄タイムズ」の記者)さん執筆の「政治時評」が論評している。その標題は
(土砂投入の「茶番劇」:世論巡り綱引き激化)
です。少し長いのですが、それを全文、次に転載します。

  辺野古の海に埋め立て土砂が投入される直前、「空白の30分間」があった。
  12月15日午前10時、船から土砂を陸揚げする米軍キャンプ・シュワブ内の護岸。
 すべての工事車両が配置についたものの動かない。何を待っているのか。不思議な静寂が流れた。30分たって、工事が始まった。
 船上のパワーショベルが土砂をダンプに積み始める。ダンプは基地内を走り、護岸で区切られた埋め立て予定地へ。
 午前11時、新基地建設に向けた最初の土砂が投下された。
  内々、メディアに予告していた通りの時刻。上空では多数のヘリが待ち構えていた。昼のテレビニュース、新聞の夕刊に間に合う時間でもあった。作業を抗議船から見つめた男性は
  「マスコミのカメラに写すための投入はやめてください」
と声を上げた。反対の民意と自然を埋め殺す惨劇は、同時に茶番劇でもあった。 政府の狙いは三つある。
  米国向けに進展をアピールすること。
  沖組県民向けに海はもう壊れた、取り返しがつかないと強調して、諦め誘うこと。
  そして本土の国民向けに「終わった問題」だと印象付けること。

  諦めを誘う作戦が県民に有効でないことは、新基地に反対する玉城デニー氏が当選した9月の知事選で証明されている。おのずと、本土の国民向けのPRに力が入る。

   菅義偉官房長官は投入当日の記者会見で
  「問題の原点は世界一危険と言われる普天間飛行場の危険性除去」
   と決まり文句を繰り返した上で、
  「知事としても固定化は絶対避けなければならないはずだ」
   と言った。玉城氏を、政府による善行の妨害者に仕立てるような物言いである。

   1996年に日米合意された普天間返還は、県内移設を条件にしたからこそ県民の反発を招き、22年たっても実現していない。
   抗議によって工事は遅れておリ、県は新基地完成に今後さらに13年かかると試算している。「世界一の危険性」は2031年まで続くことになる。

  日米が当初掲げた「早ければ2022年度の返還」が難しくなっていることは誰の目にも明らかになっていた。驚くべきことに、岩屋毅防衛相は「一日も早い達成のため」と主張する土砂投入の当日に「目標の達成は難しい」と認める方針に転じた。
  「一度承認をいただいた埋め立てについて撤回された」と、これも県の妨害のせいだというストーリーを広めようとしている。

  米軍が不法に土地を強奪して造った基地をなくすだけなのに、なぜあれこれ条件が付くのか。翁長雄志前県政も玉城県政も、新基地反対のシンプルな民意を体現しているにすぎない。「県が悪い」は、「知事を選んだ県民が悪いlと言うに等しい。

  玉城氏の方は上砂投入翌日、知事就仕後初めて辺野古の座り込み現場を訪れ、民意とともに歩むことを行動で示した。
 来年2月には県民投票がある。現場の抗議も続く。沖縄は愚直に、行動する民主主義の実践を積み重ねていく。政府はそれを力でねじ伏せる暴挙を積み重ねていくのか。

  玉城氏は
   「県民、そして全国の皆さまにこのような国の在り方を目に焼き付け、ともに行動していただきたい」と訴える。

  県と政府の綱引きが激化する。問題の行方は世論に懸かっている。

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