FC2ブログ
2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
企業経営の社会主義化(7)
従業員優遇にいたる動機・三つのケース


 職場でヘアカットやマッサージが受けられるとか、服をドライクリ=-ニングに出してくれる世話人がいるというような魅力的な特典を、いくつか従業員に提供する雇用主は大勢いる。だが、従業員の待遇のすべてにわたって十分な配慮をしている雇用主は、ほんの一振りしかいない。

 「その一握りがなぜそういう取組みをするのか」、グリーンハウスは三つのケースを上げて、それぞれのケースに当てはまる企業を紹介している。

(1) 創業者の方針を踏襲しているケース
ティンバーランド


 コスコトもこのケースだが、ティンバーランド(私の知らない会社なのでネットで調べた。アウトドアウェア・アウトドアシューズの販売会社のようだ。)の場合は次のようである。

 創業者ネイサン・シュワーツは、従業員にやさしい会社をつくるという埋想を抱き、やがてその理想を実現した。それによって利益が薄くなることもあるのは織り込み済みだった。

「わが社の中心は大事な従業員たちです」
と、ティンバーランドのCEOで、創業者の孫のジェフ・シュワーツは言う。祖父から受け継いだ従業員にやさしい経営を実践する彼は、さまざまなプログラムをとり入れ、社内に授乳室を設けたり、144時間まで休むことができる「ライフスタイル休暇」計画を実施したりした。従業員が子供のサッカーの試合を観戦したり、カヤック乗りや登山を楽しんだりできるようにという配慮だ。

 「祖父は革の切り方を教えてくれました。でも、教わったのはそれだけじゃない。勇気をもって信ずるもののために立ち上がることも教わりましたね」

 日本には女性が結婚したり出産すると様々な嫌がらせで退職に追い込むような会社もあるようだが、女性の従業員や従業員の家族のためにここまで配慮する企業の従業員には、大きな働き甲斐と生き甲斐が生まれることだろう。

(2) 労働組合の圧力に屈したケース
カイザーパーマネンテ


 このケースは「労働者の正当な要求を受け入れたケース」と言ってほしいところだ。グリーンハウスさんも「強い労働組合の圧力を受けて王道を行かざるをえない会社もあるが…結局それがよい経営法だったと知ることになる場合も少なくない」と結論している。

カイザーパーマネンテはカリフォルニアに本拠を置く医療サ一ビス会社である。

 (カイザーパーマネンテは)従業員82000人が加入する26の組合と何年も揉めた末、労働者側と広範な協調関係を築くことで合意した。以来、従業員の怪我が減り、患者の待ち時間が短縮され、生産性の向上によって15000万ドル(135万円)のコスト削減が実現したのである。

 協調の一環としてカイザーは、レイオフする従業員の全員を再訓練して、カイザ一の別の仕事に、以前と同じかまたは以前よりも高い給与で迎え入れると約束している。

(3) なかなか得られない人材を惹きつけておくために最大の努力をしようとしているケース
SASインスティテュート


 たとえば会計事務所や、弁護士事務所や、投資銀行や、シリコンヴァレーの大手企業など、高度な技能を持つ労働力が頼みのいわゆるハイエンド企業では、考えられるかぎりの優遇策を従業員に提供しているところが少なくない。そこには、衣食住を快適にする設備や物から、仕事と家庭のバランスを極限まで追求する施策まで、あらゆるものが含まれる。

 必要とする引く手あまたの高技能の持ち主たちを、引き抜いてとどめておくためには、理想の職場をつくり上げるのが賢いやり方だという結論に至ったからだ。

 例としてあげられているSASインスティテュートは従業員5000人を擁するノースカロライナ州ケアリーのソフトウェア会社である。この会社の場合はすごい。まるで一つのコミューンのようだ。

 (SASインスティテュートが)敷地内に設けた施設は、モンテッソ一リ式保育所2カ所、クリニック、自動車整備施設、マッサージ施設、バスケットボールコート、10レーンのプール、カフェテリア3カ所。一つのカフェテリアではランチタイムにピアノの生演奏が聞けるし、十代の子供の正しい大学選びや、親たちのための正しい老人ホーム選びを支援するシステムもある。

 たとえ上司であろうと、どんどん批判しようという社風だ - 建設的な方向でということだろうが。SASのCEOジム・グッドナイトは、この特異な経営法をこう説明した。


「SASとしては、会社の財産の95%が毎晩正面ゲートから出ていってしまうのだと思っています。だから上に立つ者は、翌朝彼らを取り戻すことが自分の仕事だと考えているんです」

スポンサーサイト