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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
「財源=税」問題を考える。(1)

 久しぶりに時事問題を取り上げます。

 今回の総選挙で政権交代が起こることが確実となったと、ほとんど全てのマスコミが口をそろえている。自民党はなりふり構わぬ野党攻撃を行っている。その狼狽ぶりは滑稽ですらある。いま公明党候補の選挙カーが、ただただ候補者の名前をヒステリックに連呼して近くを通り過ぎていった。まるで藁をもつかみたいといった焦りと悲壮感が漂っていた。自民の悪政に荷担してきたのだから、自業自得というべきだろう。

 自公与党は民主党などの掲げる経済政策に対して、「バラマキ」だと言い、「財源」の裏付けがないと批判している。自分たちが行ったバラマキには口をつぐんで、なんの反省もないから、全く説得力がない。

「不況で税収減の中、民主党はあれこれやると言っているがどうするのか。マジックでハトを出すのか。ハトがたくさんだから鳩山だと言っても、何のプラスにもならない」(小泉純一郎元首相、神奈川県鎌倉市での演説会で)

 野良犬となったブッシュ・ポチがまだデカイツラをしている。大企業・高所得者・資産家の大減税を行い、低賃金の派遣労働者を大量に作り出し、社会的弱者への高負担を推し進めてきた張本人が何を言うか。

 野党は、自公政権が主導した大企業・高所得者・資産家優遇のブルジョア独裁国家から、福祉国家への転換を打ち出している。デンマークやスエーデンのような社会民主主義的な国家にいたるまでの道のりは、財界や財界の代理人政治家や官僚の必死の抵抗があり、きわめて険しいと予想されるが、それへの第一歩を踏み出そうとしていることは評価したい。

 政府や官僚が垂れ流す情報には、いつも眉につば付けて接しているが、では正しい情報は何なのか。権力の支配下にあるマスコミには期待できない。情報不足のため、私(たち)は多くの判断を過つ。例えば、誰もが安心して生きられる高福祉の国家作りのためには、私は消費税の増税をやむを得ないものと肯定していたが、今はその考えが浅薄だったと反省している。福祉のための財源を消費税の増税に頼るのでは、自公政権と何ら変わらない。

 消費税に頼らないで、福祉のための財源は確保できるのか。「目からうろこ」の本に出会った。富山泰一(とみやま やすいち)著『消費税によらない豊かな国ニッポンへの道』(あけび書房)。この5月に出版されたばかりの本です。豊富な統計資料を駆使して、確かな論拠と明快な論旨。この本を教科書に、何回かにわたって、「財源=税」問題を深く考えてみたい。

 著者の富山さんは税理士で、かって全国税研中央推進委員会委員長を務められ、「国会大蔵委員会委員の想定問答集」作りに関与されたそうだ。現在は日本納税者連盟(不公平な税制をただす会)事務局長・日本租税理論学会、現代税法研究会会員・埼玉自治体問題研究所顧問・財源試算研究会主査・納税者権利憲章をつくる会運営委員など、幅広く活躍されている。

 まず本の内容を概観するために、目次を紹介しよう。興味がわいたら、ぜひ直接読んでみてください。多くの人に読んでもらいたい本です。どの党が政権を取ろうと、その党の政策を監視していくための必須の知見が詰まっていると思う。


第1章
 日本の税・社会保障負担は低いのか、
高いのか

 1「国民負担率が低い」にだまされるな

 2 EU主要国の社会保障給付費と比較し
  てみると

 3 日本企業の税・社会保障負担は国際
  的に最低水準


第2章
 日本はなぜ財源不足になったのか

 1 経済政策の失敗と大企業などの利益
  一人占め
   つくられた「経済失政」についての
  検証を
   大企業の利益一人占めは国益に反す
  る行為

 2 財政における「3つの機能」は
  有効に作用しているか

 3 低金利政策による国民の逸失利得


第3章
 なぜ・消費税は導入されたのか

 1「高齢化社会のためと言っておけば
  分かりやすいから」

 2 消費税には担税力はあるのか

 3 消費税の特徴と問題点

 4「日本の消費税率は低い」は本当な
  のか


第4章
 消費税導入後の税・社会保障の「抜本改革」

 1 消費税導入後の税制改革の流れ
   個人課税=総合課税・累進税率の
  破壊
   法人課税=特別措置の温存・拡大、
  税率引き下げ
   消費税=増税に伴う諸措置の
  改廃・緩和措置の廃止
   社会保障負担=ほぼ毎年の給付削減
  と負担増

 2 小泉内閣発足以降の税・社会保障の
  負担増と給付減


第5章
 税財政政策・社会政策を作っているのは誰か

 1 日本における政策策定過程はどう
  なっているのか

 2 誰が、誰のための、政策づくりをし
  ているのか

 3 国家を私物化している財界の構図

 4 日本経団連の政党「通信簿」


第6章
「構造改革」路線で格差と貧困が拡大

 1 企業課税に見る高蓄積のしくみと
  実態

 2 企業はどのように儲けているのか
   儲けた利益はどこへ行ったのか
   内部留保増加の要因は租税特別措置
  拡大と税率引き下げ
   大企業の法人税実質税率はかなり
  低い

 3 高所得者は特別措置と最高税率引き
  下げで大減税
   高所得者ほど減税額は多くなる
  ・・・最高税率引き下げの不合理性
   高給者の必要経費はなぜ高いのか
  ・・・給与所得控除の不合理性

 4 資産家はこんなにも減税されている

 5 税制改悪による中小事業者の経営難
  と生活破壊

 6 増税の標的にされている
  サラリーマン
   収入の二極化はどのようにして作ら
  れたのか
   収入の二極化に反比例した負担の
  二極化
   「食う前に税金を払え」
     ・・・税金とりたての仕組み
   課税最低限の額は先進国中で最低

 7 年金生活者の税金はどうなるのか

 8 所得再分配の悪化による格差と貧困
  の拡大
   税金による再分配はゼロに等しい
   金持ちから貧しき者への税・社会
  保障負担の付け替え
   貧困率悪化は非正規雇用の増加に
  よる格差拡大が主因

第7章
 消費税によらない豊かな国ニッポンの
創出のために

 1 国民はどのような国づくりを望ん
  でいるのか

 2 税金の使い道に納得していることが
  納税の原点

 3「広く薄く」の負担は国からの
  サービスの対価?

 4 すべての人への恩恵は減税でなく
  財政出動で

 5 企業増税で国際競争力は落ち、
  高額所得者は海外脱出?

 6 喫緊の課題は低所得者層の収入を
  増やすこと

 7「小さな政府」から「大きな政府」
  への転換を

   富める者には高福祉低負担、
  庶民には…
   高福祉高負担が日本を豊かにする
  カギ
   政府は国民に信を問わず
  「消費税増税法」可決


第8章
 生活大国ニッポンへの財源は充分にある

 1 無駄な歳出をなくすこと
   「公共投資型財政」から福祉型財政
  への転換を
   莫大な「在日米軍への思いやり予算」
   使途が不明瞭な「政党助成金」
   「埋蔵金」流用は一時しのぎに
  過ぎない

 2 税負担のあり方を応能負担に
  変えること
   課税の「公平」の考え方を庶民本位
  に変えること
   企業不公平税制を判定する基準
  はなにか


第9章
 国民本位の税・財政改革についての提案

    総合的な改革視点と具体的提案の
   ために
    今こそ「納税者権利憲章」の制定を
第10章
 不公平税制を是正するだけで、
20兆円の財源が確保できる

   消費税を全廃しても税をただせば
  20兆円創出
   税金の無駄づかいを試算すると何と
  38兆円にも

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