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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
今日の話題

いいぞ、ジュリー


 近いうちに「昭和の抵抗権行使運動」で詳しく取り上げるが、50年安保闘争には多くの芸能人・芸術家・知識人などが参加している。「6・15流血事件」では、岸の要請で暴力団・右翼によって組織された「維新行動隊」の襲撃で、多くの女優さんたちが負傷している。

 それから約半世紀たった今、この国の民主主義の劣化は目を覆うばかりだ。『日本人への遺言』で天本英世さんんは、「何が正しくて何が間違っているかという判断」ができない「麻痺」した日本人を嘆いていた。自らが属する業界についても、次のようなエピソードを紹介している。

 人間が職業にとらわれると、人間は麻痺するのである。
 私の長年の友人であるアントニオ・ガデスはこういっている。

「私は、踊り手である前に、一人の人間だ」

 私自身も、「私は俳優である前に人間である」と、常に考えている。だから、一人の人間として、君が代問題などにも非常に関心を持つのである。ただ俳優であるだけなら、多分、君が代問題もへったくれもないであろう。

「君が代なんか決して歌わない」とか、「君が代反対」などといって俳優がデモをしたら、やはり仕事に影響するかもしれない。しかし、私は、俳優である前に人間であるから、君が代反対のデモに参加したいと思っている。

 かつて、安保反対、湾岸戦争反対のデモに参加したことがある。
 デモに参加した数日後、親しくしているある大物俳優とばったり会った。そして、デモに参加した話をしたら、彼はこういった。

「天本っちゃん、俳優がデモをやるのはどうもね……」

 日本を代表する大物俳優が、「俳優がデモをやるとちょっとね」といったのである。彼がそんなことをいうとは思わなかった私は、少なからずショックを受けた。



 権力(この中には創価学会も含む)の逆鱗に触れると仕事を干されると、大方の芸能人が怖れているようだ。先の都知事選のとき、浅野さんを支援するある集会で、支援者の一人のある芸能人が、仕事が無くなることを覚悟で浅野さんを支援する、と反石原を表明していた。自分の信念に従った言動に、このような覚悟を必要とするほど、日本の民主主義は劣化している。

 このような状況の中、11月2日付東京新聞「こちら特報部」が久しぶりに、まことに爽やかな話を取り上げている。沢田研二さんの活動である。

 記事を担当した記者・関口克己さんの前書き。
『「TOKIO」でピカピカの電飾を身にまとい、「勝手にしやがれ」で甘いダンディズムで若い女性を酔わせた伊達(だて)男がいた。ジュリーこと歌手の沢田研二さん(60)。しばらくテレビ画面から遠ざかった男は還暦の今年、憲法九条賛歌で再び輝きを放っている。還暦と「キュウジョウ」への思いを熱く語った。』

 その話題の歌は次のようである。中に、「えっ、なに?」と引っかかる言葉もあるが、今は不問に付そう。

我が窮状
    作詞/沢田研二
    作曲/大野克夫

麗しの国
日本に生まれ
誇りも感じているが
忌わしい時代に
遡るのは賢明じゃない

英霊の涙に変えて
授かった宝だ
この窮状
救うために
声なき声よ集え
我が窮状
守りきれたら
残す未来輝くよ

麗しの国
日本の核が
歯車を狂わせたんだ
老いたるは無力を気骨に変えて
礎石となろうぜ

諦めは取り返せない
過ちを招くだけ
この窮状
救いたいよ
声に集め歌おう
我が窮状
守れないなら
其の平和ありえない

この窮状
救えるのは静かに通る言葉
我が窮
守りきりたい
許し合い信じよう


 記事の中から、この歌についてのインタビュー部分を転載する。


 「キュウジョウ」と歌うが、「ケンポウ」や「九条」はない。でも、紛れ もない九条応援歌だ。

「『九条』とあからさまに歌うのは気恥ずかしい。だから、姑息に九番目の『キユウジョウ』にして、誰か気付いてくれないかな、と。」

 九条を「勝手にしやがれ」とはさせないこの曲は静かにファンを増やす。コンサートでは、この曲が始まると自分より明らかに年上の人が背筋をピンと伸ばした。

「誰かが分かったんですね。宣伝しなくても気付いてくれるんだと自信を深めましたよ。」

 いたずらっ子のような笑みを浮かべた。

 平和への思いは昔から。九条擁護を訴える文化人らの意見広告などには賛同者として加わってきた。だが、九条を詞にしたのは初めてだ。

 書き始めたのは昨秋。改憲を自らの政治テーマに掲げ、参院選で大敗した安倍普三首相(当時)の辞任直後だ。

「安倍さんの時には、世間は『護憲だ、改憲だ』と騒いでた。この歌は、そんな時期に出すのは潔くない。商売っ気があると思われちゃうから。でも、安倍さんが辞めた、福田(康夫首相)さんになったらバッタリ。『今だ』。アルバムを出す前に再び騒いだら、カットしてました。」

 永田町の改憲風はやんだまま。だが、沢田さんは「九条」は改正目前の「窮状」にあると思う。

「今の憲法があるから、日本は平和でやってこられた。それを米国を支援するために変えるのは、おかしい。変えたい人は『国際貢献をしないといけない』と言うが、日本は政府開発援助(ODA)や個人レベルでも、たくさんしてますよ。GHQが作った憲法だから今の日本に合うように変えようと言われるが、そんな必要はない」

「米から本当に独立しないと」

 現実はどうか。イラクやインド洋への自衛隊派遣「沢田さんが住む神奈 川県でも原子力空母ジョージ・ワシントンが横須賀に配備された。日本は、米国の軍事戦略に深く組み込まれている。だからこそ、思う。

「九条を守ることで、日本は米国から本当に独立しないと。米国がくしゃみをしたら、日本は風邪をひく。そんなのは気に入らない」

 九条の〈歯車を狂わせた〉のは〈日本の核〉と歌う。「核」とは?

「それは、内閣の『カク』ね。日本は核兵器は持ってないから」

と笑つたかと思えば、

「でも、歴代の内閣がダイヤルを少しずつ回すように(解釈を)変えてきた。庶民の感覚と離れるように。」

顔に険しさが漂う。

 〈老いたるは無力を気骨に変えて 礎石となろうぜ〉。思い浮かべたのは、当時の福田首相だ。

「この人は、(九条や平和を守る)礎石になってくれるのだろうか」

 (我が窮状 守りきりたい 許し合い 信じよう〉-。こう閉じる3分51秒に凝縮させたのは、素朴な平和への願い。現実派には甘く、ガチガチの護憲派には異論もあるだろう。だが、沢田さんはさらりと言う。

「歌詞をいろいろな意味に感じてほしいのが僕のスタイル。この曲も、『沢田研二は何か困っているらしい』と思ってもらってもいいし、ラブソングに聞こえてもいい。まあ、ラブソングといえば、九条へのラブソングでもあるんですけど」



 私はブログ記事を、NHK・FM放送で音楽を聞きながら書くことが多い。今日もそうしていて、お目当ての番組が終了したのでラジオを消そうかと思った時、今日の番組紹介の放送が始まって、「今日は一日"ジュリー"三昧」と伝えていた。もしかすると「我が窮状」も披露するかな、うまく録音できないかな、と思案していた。あっ! もしかすると、と思いついてネット検索してみたら、ありました。下に貼り付けておきます。

「我が窮状」

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