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347 「日本」とは何か(32)
すごい本、みっけ!
2005年7月31日(日)


 一週間ぶりに『「日本」とは何か』に戻る。

 植村清二著「神武天皇」の中の津田学説の要約を読み、植村さん自身の 仮説を読んでいく予定だったが、急遽変更することにした。

  この稿はかなり混迷しているのでこれまでの内容をおさらいをしようと読み 返していたら、「第334回 ヤマト王権の出自(5)」(7月17日)の記事を 記録し損なっているのに気づいた。実は、その回に書いた内容の補充・訂正を して、そこにから改めて仕切り直そうと思ったのだった。それには次のような 理由がある。

 これまで「ヤマト王権の出自」についてのいろいろな手がかりや仮説を読んで きたが、どれにも満足できなかった。まったくの素人の勝手な感想でしかないが、どの論にも 大事なところではぐらかされたような感じが残った。私が最も関心があり、最も 解明してほしいと願っている疑問点にほとんどなにも答えてくれなかった。 戦後の「古代史」学の混迷振りは、どうやら津田理論を金科玉条の大前提とし ているところにあるようだ。

 新たな資料を求めて本屋の棚をのぞいていたら、古田武彦氏の著書が目に とまった。名前は存じ上げていた。一時期かなり話題になったことがある。 しかし、その頃私は古代史にさほどの関心を持っていなかったし、それまで の諸説と大同小異の理論だろうという先入観にとらわれていて、その著書を 手に取るまでにはいたらなかった。いま、その不明を恥じている。

 「盗まれた神話―記・紀の秘密―」(朝日文庫)を手に取りその目次をみた だけで、私が持っている種々の関心事に真正面から取り組んでいることが一目 瞭然だった。
 実際に読んでみてびっくりした。今までの諸仮説がはらんでいる問題点・ 矛盾点を克明に批判しながら、堅固な論証の上に自説を展開している。私は これまで知ったどの学説よりも正しいと思った。同時に、学者たちがこの 古田さんの一連の論文をほとんど無視しているらしいことを、いぶかしく思っ た。いや学者ばかりではなく、梅原さん、吉本さんもまったく触れていない。 ちなみにこの著書の初版は1975年に出版されている。(文庫本化は1993年)
【追記】(2005/10/16)
 吉本さんは古田説をご存じだった。『ハイ・イメージ論』の「地図論」で古田さんの神武実在説を取り上げてる。


 古田さんの解明した古代史を知った今、他の諸説は私には無用になった。 継承発展させるにせよ、批判的媒介にするにせよ、古田説をスタート台にする べきだと思う。(勿論私はただ啓蒙されるばかりの一読者に過ぎない。)教科書 も古田説に従って大幅に書き換えられるべきだと思う。

 古代史のより正しい全体像を描くことは、迂遠なようだが、「天皇制」の 欺瞞・詐術を暴くことでもあり、最近の反動的な状況への大事な対峙の仕方の 一つでもあると、私は考えている。できるだけ多くの人が、古田さんの解明し た古代史を知るようになることを願わずにはいられない。
 シリーズ『「日本」とは何か』は発展的解消(挫折したといってもいいかな。) ということにして、次回から表題も改めて古田さんの古代史を紹介して いこうと思う。ただし、古代史の全体像を描くことに重点を置き、厳密で 専門的な論証部分ははぶく。いわゆる「定説」を多く知っている人ほど 「そんなの信じられない」というような事柄に多く出会うかもしれない。 そのときはぜひ古田さんの著書を直接お読みいただきたい。
 さしあたって次の著書を利用する。

『「邪馬台国」はなかった』
『日本列島の大王たち ― 古代は輝いていたⅡ』
『盗まれた神話 ― 記・紀の秘密』
        (いずれも朝日文庫版)

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