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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
300 日本の支配者は誰か(7)
政党と「金づる」との依存関係
2005年6月13日(月)


 前回明らかにされた事実をまとめると次のようになる。
 「国権の最高機関」であるはずの国会の背後には日本支配階級のバック・ボーンとして 官僚勢力が大きな影響下にある。その官僚をアメリカが自らの政策遂行の媒介として利用 している。
 しかし、米日両支配階級の間の関係は、単にアメリカの支配者に日本の支配機構が従属 しているという主従関係だけで成り立っているわけではない。それはやはり二つの異った 受益集団の協定であり、共同利害を基軸とした同盟関係であろう。

 それでは当時(1950年前後)、政党が国内支配層のどのような勢力と利害をを代表し、その支配層と どのように相互依存をしているのか。次はそのくだりを読んでみよう。
 第一、戦後の政党(とくに自由党)におけるいわゆるアプレ(戦後派)とアヴァ ン(戦前派)のどちらが有力かという問題。
 この場合、アヴァンは待合政治的なかけ引きにすぐれ、アプレは小粒ながら戦後の空白期を もたなかった点が強味だといわれているが、残ってきているのは大体有力な金づるをもったも のばかりである。
 アヴァンの復活ということは、前田、大麻、松村、緒方、それから岸というような 名前によって想起される旧翼賛・翼壮的な戦争協力者たちの公然たる復活という点 でのみ意味があるといえよう。また戦前と戦後で大粒小粒をきめるというのは事大 主義的な感覚にすぎないのであって、政界の現状に関するかぎり、大勢をアメリカ 一辺倒の方へもっていっているのは ―― その意味における「主流」は ――  吉田側近の官僚と小物グループだと言いうるのである。

 第二、政党の金づるについて。
 政党の軍資金はむかしは財閥の献金(主要な方法は株の操作)、はげしいのになると軍部から 逆に鞘をとったという豪傑もあったが、戦後は財界再編成で(というよりも、国家独占資本主義 の形態がもう一進展をとげる過渡期にあたっていたために)従来の資金源は一応涸渇した。現在 重役の数は多いが、個人資産はせいぜい一億どまりで、自家用のキャデラックなど持っているも のはほとんどないといわれているが、それは右の資金源の状態に対応したものである。
 そこで戦後は、大きな政府の撒布資金、たとえば電源開発とか造船とか、そういう大きな政府 投資、特銀関係の融資などのかすりをとるほかないので、そういうところへ顔の利く池田などが Bクラスの大蔵官僚から一挙に大物閣僚への転化をとげるにいたったというわけである。
 戦後の閣僚番附をみると、官僚のほかにいろいろとインフレ事業家、銀行家などの顔ぶれが出 たり消えたりしているが、第四次吉田内閣ではかつての三井財閥の総帥向井忠晴が蔵相の椅子に 坐って、財閥復活のはっきりした傾向を具現してみせた。財界も、表面は財閥解体やパージで尾 羽打ち枯らしているというが、そうした事態の裏側で進められたいわゆる「経済復興」や国民経 済軍事化の過程は、とりもなおさず最大限利潤追求の過程であり、世の中は不景気でも巨大軍需 コンツェルンは巨利を博してきた。そしてそれは直ちに再編を終った財閥のふところに流れこんで いた。向井蔵相の就任は正にそのことをあらわすものにはかならない。

 第三、政党の金づるには、このほかに個々の事業会社、山林所有者等と代議士と いったような個々のつながりが幾重にもできている。これは独占資本と地主勢力と の同盟関係の下に生み出されている全国的な経済上のヒエラルヒーを反映するもの である。ある新聞社の平凡な政治記者の一人は「自由党の前身である政友会はむか しから地主党といわれるくらいで、幹部とか代議士には農村出身者が多かったが、 いざとなると高橋是清のような都市の金融資本と結びついている者の発言が物をい うようだ」と頭をかしげていた。ここにいう金融資本に近い勢力とは、必ずしも金 融資本そのものをさすのではなく、いまものべたような支配階級のブロックの下に 形成されたヒエラルヒーの最上層をしめるもの、ということではないだろうか。
 支配権力の道具としての政党はこのヒエラルヒーに沿って国民を上から下へつかんで ゆくのである。そこにブルジョア政党の本領がある。
 国家財政を糧に財閥が蘇生していく過程と、農村を基盤とした保守政党の支持母体が 形成されていく過程が、「金づる」というブルジョア民主主義の真骨頂を通して述べられて いる。
 つまり、政党=ブルジョア政党は国民の上にたつ支配権力としては官僚勢力と相互補完的な関係 にある。官僚群が弾圧と徴税の諸機関を一手に手中にしているのに対して、政党の方 の役割は政治上の組織者としての役割であり、社会的にはさまざまな個別的特殊利害の 衝突の緩衝機能を果たしている。そして国会は、形式的には「国権の最高機関」であるが、 ブルジョアによる間接支配を貫徹するための「煙突」の役割を果たしていることになる。
 しかし一方、戦後の議会政治の中で、はじめて社会民主主義政党が権力の一隅をしめるようになり、 共産党がはじめて合法舞台に出てくることがみとめられた。これらいわゆる革新政党も含めて、 次回は各政党ごとの役割の分析に進む。
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