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207 イシハラの思想弾圧の下地
2005年3月10日(木)


 村上義雄著「暴走する石原流『教育改革』」を読んでいる。前回、前々回で現役のある教員の話を 多少アレンジして都立高校の現状を記録したが、昨夜読んだ部分にそれと同じような事例が次々と出 てきた。あの話は決して特例ではないのだ。
 その部分の見出しタイトルを並べるてみる。

校長の権限は飛躍的に強化され、職員会議はものの見事に形骸化
押し付けられる研修
人事考課、人事異動---教師の士気を削ぐあの手この手
主幹---やる気をなくさせる縦型人事の立役者

 このタイトルを見ただけで私たちはその内実が手に取るように分かる。

 さて、前回、イシハラが市民たちを逮捕し始めたことに触れたが、これも実は用意周到に 準備されていたと思える。前提書の第4章「ここまできた都教委の”学校支配”」を読んで 得心した。

 2003年6月、イシハラは竹花豊という人物を副知事に就任させた。竹花は2001年9月3日から2003年 6月13日までの広島県警で本部長をしていた。いくらか異論があったようだが、翼賛都議会はこの人 事をすんなりと認めた。
 2003年8月、イシハラは竹花を本部長とする「緊急治安対策本部」を組織する。この対策本部での 論議の中で「子どもを犯罪に巻き込まないための方策を提言する会」を発足させた。この会の提言が きっかけとなって具体化したとんでもないものがあったのだ。
以下「ここまできた都教委の”学校支配”」から引用する。
 都教委の”学校支配”は、警察との連携強化にまで発展している。2004年4月5日、都教委と 警視庁の間で締結し、5月1日に施行した「児童・生徒の健全育成に関する警察と学校の相互連 絡制度の協定書」は、ちょっと黙視し難い。協定書の骨子を紹介しておこう。

 まず、警察から学校への連絡事項は、①逮捕事案、②(犯罪をおかす恐れのある)虞犯事案、 ③その他、警察署長が学校への連絡を必要と認める事案など、となっている。
 一方、学校から警察に提供する問題行動として都教委は、①深刻な暴力、②刃物使用の傷害、 ③援助交際、④薬物使用、⑤暴走行為、⑥深刻な学校間抗争、⑦校長が警察に連絡する必要が あると判断する問題行為などを例にあげている。

 私は「問題行動」という言葉が気になる。教師と生徒の間で解決可能な事柄まで警察に連絡し てしまう危険性はないのか。
 かつて中学を舞台に「校内暴力」 の嵐が吹きすさんだとき、職員会議は、しばしば激論となった。 紛糾もした。
 「なぜ、安易に警察を呼ぶのか。教師は生徒としっかり向かい合っていると胸を張れるのか。自ら 教育を放棄せよと校長は言うのか。教え子が警察に連行されるのを黙って見ていられるのか」
 教師たちが校長ら管理職に詰め寄る光景を取材者として目撃したのを記憶している。生徒に寄り添 おうとする教師の思いに共感をおぼえた。「教え子を警察に売るのか」という激しい批判が耳の奥に しみ込んでいる。
 しかし、結局、各地域ごとに「学校警察連絡協議会」(学警連)が発足し、連絡を密にする旨、学 校(管理職)と警察が意思統一をはかる結果となっている。
(中略)
 今回の協定は、まるで「中学生を見たら非行を疑え」と頭から決め込んでいるのではないかとさえ 思える。都教委の姿勢と、今回の「協定書」の使われ方を入念に監視しなければなるまい。

 昨今、学校に侵入した部外者による殺傷事件が相次いでいる。圧倒的多数の人が上記の「協定書」 を歓迎するのではないか。 しかし心しなければいけない。他の項目にも問題点はあるが、「その他」 という項目がくせものだ。警察と学校が相互に連絡し合うとした項目の中でも「③その他、警察署長が学校への 連絡を必要と認める事案」と「⑦校長が警察に連絡する必要があると判断する問題行為」が問題だ。
 今回の市民を逮捕するに至る警察・学校の連携は、イシハラ・都教委の直接の指示があったようだ 、この「協定書」がその指示の根拠であったろうと思う。
 村上さんは学校が安易に生徒を警察に引き渡すようになることをのみ杞憂している。まさかこれが 市民を弾圧するための項目になるとは全く思いも及ばなかっただろう。もっともなことだ。 こんなべらぼうなことは誰にも予測できなかっただろう。
 もしも「協定書」作成時に竹花がその項目で市民弾圧をも想定していたとしたら、竹花というヤツは イシハラが見込んだだけあって、相当な悪だ。
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