2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
465 「惻隠の情」とは何か
2006年4月4日(火)


 藤原正彦著「国家の品格」がベストセラーだそうだ。
 私はへそ曲がりでベストセラーには食指が動かない。特に評論関係のものには、どうせ耳目に入りやすい俗説が説かれているんだろう、という偏見を頑なにまもっている。
 「国家の品格」も読んでみようとは思わない。大体その表題からして、たぶん「国家」と「国(社会)」をごっちゃにした議論だろうな、と推測してしまう。などと思っていたら 4月3日付朝日新聞「今日の論点・国家の品格とは何か」で藤原さんが『「惻隠の情」を広めよう』という題で「国家の品格」を論じていた。その論点から一つだけ取り上げてみる。
 藤原さんは『経済至上主義や市場原理主義』によって『日本だけでなく世界全体もめちゃくちゃになってしまうだろう。』と憂慮して次のように言う。


 こんな世界の中で、日本はどうすべきか。私は、経済的豊かさをある程度犠牲にしてでも「品格ある国家」を目指すべきだと考えている。そのためにも、新渡戸稲造の「武士道」の精神を復活させることが大切だ。戦前は軍国主義、戦後は経済至上主義によりすっかり武士道精神が廃れ、これに伴い国家の品格も失墜してしまった。これをもう一度取り戻すのだ。

 武士道には、慈愛、誠実、正義や勇気、名誉や卑怯を憎む心などが盛り込まれているが、中核をなすのが「側隠の情」だ。つまり、弱者、敗者、虐げられた者への思いやりであり、共感と涙である。

 このような日本人の深い知恵を世界に向けて発信することこそ、荒廃した世界が最も望んでいるのではないか。



 『慈愛、誠実、正義や勇気、名誉や卑怯を憎む心』や『弱者、敗者、虐げられた者への思いやり、共感と涙』=「側隠の情」に異論があるのではない。その持ち上げ方に胡散臭さを感じている。
 それらの「心」や「情」は市井の片隅にごく普通に生きている大衆の日常においてはごく当たり前にみられるものだ。そしてそれらの「心」や「情」は何も日本人の専売特許ではなかろう。なぜことさらに「武士道」を持ち出さなければならないのか。いまにも「日本人の美しい心」とリンクしそうだ。
 それに何よりも「心」とか「情」だとかは「国家」の属性ではない。それは「国家」の問題ではなく個人の倫理の問題だ。『経済至上主義や市場原理主義』と対比すべき事柄ではない。
 前々回の『ロールズ』からの引用文中に「正義感覚」という言葉があった。「市民的不服従」の正当化の重要な拠点の一つとして用いられている。『ロールズ』では「正義感覚」を次のように解説している。


 私たちが「私憤」(他者の不正がもたらした危害に対する直接の反応)や「公憤」(他者の不正によって別の他者がこうむる危害を見た私たちの反応)を感じたり、友情や相互信頼のような絆を保てるのは、道徳的人格性の基本的側面である「正義感覚の能力」のゆえなのだ。

 この「正義感覚」は、しかもたんに書物の上だけの概念ではなかった。その感覚こそ同時代のアメリカで燃え上がった市民たちの抵抗運動の”共鳴盤〟の役目を果たしたものである。



 ここで言われている「正義感覚」は「惻隠の情」と呼ばれているものとどう違うだろうか。新渡戸稲造の「武士道」を読んでいないので断定はできないが、藤原さんの説くところからは、私には違いが見つからない。
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614 イシハラに鉄槌くだる
予防訴訟・全面勝訴!!
2006年9月21日(木)


 今日は予防訴訟(国歌斉唱義務不存在確認等と損害賠償を求めた訴訟)の判 決日。行ってきました。しかし残念ながら、傍聴券47枚に286人が参集、私は くじに外れて直接判決を聞くことができませんでした。裁判所の前での思 いがけない勝訴の報告を聞いてひとしきりわいた後、弁護士会館の記者会見に参加しました。

 記者会見の会場で配られた「声明」を掲載します。(読みやすいように、段落は私が設けました。)


声明

 本日、東京地方裁判所民事第36部(難波裁判長)は、都立学校の教職員らが原 告となって、東京都と都教育委員会(都教委)を被告として、国歌斉唱義務不存 在確認等と損害賠償を求めた訴訟(いわゆる「予防訴訟」)について、原告らの 訴えを全面的に認め、10・23通達を違法とし、

①原告らに卒業式等における国歌斉唱の際に、起立・斉唱・ピアノ伴奏の義務が ないこと

を確認し、

②起立・斉唱・ピアノ伴奏をしないことを理由にいかなる処分もしてはならない

とし、

③10・23通達によって原告らが被った精神的損害に対する慰謝料の支払いを命ず る、

極めて画期的な判決を言い渡した。

 本件は、都教委が2003年10月23日付けで、卒業式、入学式等の学校行事に おいて、教職員に対し「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する」ことを命じ、 それに違反した場合は、懲戒処分を科すとした全国的にみても異常ともいえる 「国旗・国歌」を事実上強制する通達(「10・23通達」)を出したことに起因す る。原告ら教職員は、教育現場での「国旗・国歌」の一律の強制は、教職員一 人一人の思想・良心の自由、教育の自由等を侵害することになるとともに、生徒 の思想、良心の自由をも侵害することになるとの思いから提訴に至ったのであ る。

 判決は、義務不存在確認請求、処分差止請求に訴えの利益が認められることを 前提に、10・23通達の内容が、過去の歴史的事実から、国民の間にさまざまな見 解が存する「日の丸・君が代」を教職員に対して一律に職務命令や懲戒処分等の 手段をもって強制するものであって、 憲法19条の保障する思想・良心の自由を侵 害するものであると明確に判示した。

 また、都教委による10・23通達とその後の校長らに対する指導名目の締め付け が、卒業式や入学式について、各学校の現場における創造的かつ弾力的な教育の 余地を残さないものであることなどを理由に、 教育基本法10条1項で禁止される 「不当な支配」にあたるとした。さらに、判決は、都教委の「不当な支配」の下 で裁量の余地なく出された校長の職務命令は、教職員の思想・良心の自由を侵害 する「重大かつ明白な瑕疵」があり、違法なものであることを認めた。

 今回の判決は、憲法で保障された思想・良心の自由の重要性を正面からうたい あげたもので、わが国の憲法訴訟上、画期的なものである。

 また、判決は、今まさに改悪の危機にさらされている現行教育基本法の趣旨を 正しくとらえ、行政権力による教育への不当・不要な介入を厳に戒めたものであ り、教育基本法改悪の流れにも強く歯止めをかけるものといえる。

 都教委は、判決に従い、違法な10・23通達を直ちに撤回し、教育現場での 「日の丸・君が代」の強制をやめるとともに、生徒や教職員の自主性、教育の 自由を侵害するような教育政策を直ちに改めなければならない。

 この判決を機会に、われわれの訴えに対し、国民の皆様のご支援をぜひとも いただきたく、広く呼びかける次第である。

2006(平成18)年9月21日
      国歌斉唱義務不存在確認等請求訴訟原告団・弁護団
      「日の丸・君が代」強制反対予防訴訟をすすめる会



 イシハラの教育支配と闘っている人たちの訴訟は、これまで全部敗訴でした。 私は、この国の裁判官は法の番人ではなく権力の番犬に成り下がったのか、と なじってきました。今日も重い思いを引きずって出かけましたが、行ってよかった。 なんと、憲法の精神をしっかりとわきまえた裁判官が健在でした。全面勝訴を 聞いたときは思わず涙が出てしまいました。この国にはまだ、まやかしの 「美しい国」などではなく、まともな美しい国に成長できる確かな根が残って いた。あきらめるのは早い、とつくづく感じました。

 イシハラは、命がけで憲法を破ると嘯いているのだから、憲法違反と判決されて さぞ本望でしょう。しかし、卑怯なヤツ、例によって裁判官を口汚く貶めたりのの しったりするに違いない。そして、憲法を破っておきながら、控訴して法にお墨付 きをおねだりする矛盾を犯すだろう。あるいは今回の判決を徹底的に無視して あいかわらず憲法違反を続け、初心を貫徹するだろうか。見ものです。

 闘いはこれからです。われながら歯がゆいほどの非力ですが、闘いの末尾に くっついていこうと、改めて思っています。「9・21判決」はこの国始まって 以来の画期的な判決です。「10・23」を「9・21」で塗り換えていこう!
615 陰謀史観について
オコチャマランチ狆ゾウの陰謀
2006年9月22日(金)


米国債購入で貢ぎ、今度は傭兵で上納ってかバナー

このアニメバナーは雑談日記より拝借しました。

 陰謀史観というのはなんら根拠のない妄想のようなものと、歯牙にもかけら れないのが一般です。確かに何でもかんでも陰謀で説明しようとして、根拠のない 説を説く人たちがいる。しかし、だからといって裏づけのはっきりとした陰謀 まで否定しては誤謬におちいる踏み外しです。

 例えば最も有名なものとしてトンキン湾事件というのがある。

トンキン湾事件とは、1964年8月、北ベトナムのトンキン湾で北ベトナム軍の 哨戒艇がアメリカ軍駆逐艦に2発の魚雷を発射したとされる事件。これをきっ かけにアメリカは本格的にベトナム戦争に突入、北爆を開始した。アメリカ議 会は上院で88対2、下院で416対0で大統領決議を支持した。しかし、1971年6月 ニューヨーク・タイムズのニール・シーハン記者が、7000ページに及ぶペンタ ゴン・ペーパーズと呼ばれる機密文書を入手、トンキン湾事件はアメリカが仕 組んだものだったことを暴露した。(「ウィキペディア」より)


 軍事介入するためにはまず国内の世論を味方にする必要がある。そのためには 先に攻撃されたという事実を捏造するのが最も確実で容易な方法であろう。
 陰謀は軍事介入のためとは限らない。中南米などでアメリカに不都合な政権を 転覆のためにCIAが暗躍していること周知の事実です。軍のクーデ ターによるチリのアジェンデ政権の転覆をはじめ、ニカラグア革命(1979年)、米軍の グレナダ侵攻(1983年)・パナマ侵攻(1989年)、メキシコ・サパティスタ運動(1994年~いまだ継続中) などいずれもアメリカが直接的にか間接的にか関わっている。チリのクーデ ターは30年前の9月11日に始まっている。奇しくも2001年の9・11事件と同じ 日付で記憶されているこの事件のあらましは次のようです。


 チリでは1970年の選挙で社会党のアジェンデが大統領に当選し人民連 合政権が誕生しました。アメリカのニクソン政権はこれを倒すために キッシンジャー(後に国務長官となった)を責任者とした委員会を 設置して経済制裁をはじめとさまざまな手段を使いました。

 チリの経済は攪乱されましたがしかしチリの民衆のアジェンデ政権に 対する支持は高まっていきました。ニクソンはついにチリ軍部を使って クーデターを行わせることにしました。

 そして,30年前の9月11日ニクソンの指令でクーデターが勃発しました。 軍隊が大統領官邸を取り巻く中で亡命すれば命を助けてやろうという軍部 の申し出でを拒否したアジェンデは銃をとって闘いそして死んでいきました。
土生長穂、9月の一言 より引用しました。)


 昨日の夕刊(東京新聞)にベネズエラのチャベス大統領の国連総会一般討論での演説の記事が ありました。ブッシュ大統領を名指しして8回も「悪魔」と呼ぶ激しい演説をして大きな喝采を受 けたと報じている。

チャベス大統領
チャベス大統領が提示している本は『ノーム・チョムスキーの著書
日本語版「覇権か、生存か―アメリカの世界戦略と人類の未来 (集英社新書)」


 チャベス大統領は石油の収益を国民に還元し、教育や社会保障などを無料に している。ベネズエラを国民のための国にしようしている改革者です。 それに対し、アメリカはコロンビアを介してチャベス大統領を失脚させようと 民兵を組織し、工作活動を行っている。もしかすると暗殺計画もあるかもしれ ない。しかし、チャベス大統領はもし自分がいなくなっても、第2第3のチャ ベスが登場し、改革を推進させるだろうと言っている。こうしたことが背景にあっての 国連演説です。国民のために生きようという信念をもった勇気のある人です。

 同時多発テロと呼ばれている9・11事件の真相を究明しようと している人たちをマスコミではもっぱら、陰謀史観だとバカにする論者ばかり がはびこっているよです。しかし彼等は、事件の真相を追求している人たち ( 9.11真相究明国際会議)が提示している、アメリカ政 府の発表とはまったく矛盾するさまざまな事実を説明しようとはしない。 いや、アメリカ政府の発表を前提としては説明できないのです。それらの問題 が解明されない限りアメリカ政府の発表を鵜呑みにするい われはない。

 ここまでがマクラでこの後に、一昨日受け取った きくちゆみさんのメルマガのなかのコワーイ話を紹介するつもりでした。が 、なんともうその話はインターネット中を駆けめぐっている。今日の 「きっこの日記」もそれを取り上げていた。でも、まだ未見の人のために予定どおり そのコワーイ話を紹介します。


[きくちゆみの地球平和ニュース]Global Peace News vol.037  ( 2006年9月20日 8:14)より

 ――――――――――――
 ■為政者の腹を知ろう!
 ――――――――――――
 ジニーの感想を送ってくれた方に触発されて、ヒトラーの右腕、軍事参  謀のヘルマン・ゲーリングの言葉を紹介します。まさに、現代にも通用  しますし、911事件にも当てはまります。

「もちろん人々は戦争を欲しない。しかし結局は国の指導者が政策を決 定する。そして人々をその政策に引きずりこむのは、実に簡単なことだ。 それは民主政治だろうが、ファシズム独裁政治だろうが、議会政治だろ うが、共産主義独裁政治だろうが、変わりはない。反対の声があろうが なかろうが、人々が政治指導者の望むようになる簡単な方法とは・・・。 国が攻撃された、と彼らに告げればいいだけだ。それでも戦争回避を主 張する者たちには、愛国心がないと批判すれば良い。そして国を更なる 危険にさらすこと、これだけで充分だ。」(森田ゆり著『子どもが出会う 犯罪と暴力』NHK出版、34ページより)

 同じくヒトラーの宣伝相ゲッペルズは「嘘も100回言えば本当になる」 といいました。私たちは権力者の嘘を見抜かなくてはいけません。彼ら は安全な場所で戦争をしかけ、戦争で儲け続けるのです。殺し合うのは、 何も知らない私たち一般市民です。

 これに関連して、『週刊オルタ』の西山澄夫さんのメールを。転載歓迎。

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 「速報」

 2005年10月25日、26日、ブッシュの支持基盤であるネオコン派の政 治家、知識人が集まるワシントンの政策研究所、AEI・アメリカン・エ ンタープライズ・インスティテュートが主催して、日本の国会議事堂裏 のホテル、キャピトル東急で、「政策研究集会」が開かれた。テーマは、 「日本と中国を、どのようにして戦争に突入させるか、そのプラン作り」 である。

 参加者はAEI所長クリストファー・デムス、次期総理・安倍晋三、鶴岡公 ニ(外務省、総合外交政策局審議官)、山口昇(防衛庁、防衛研究所副所長、 陸将補)、民主党・前党首・前原誠司、その他自民、民主の複数の議員。 テーマは「有事、戦争に、どう対処するか」では無く、「中国と日本を、 どのようにして戦争に持って行くか」である。

以上は裏付けが取れた正確な情報である。

 以下は裏付けの取れていない未確認情報(裏付けの取りようがない)である。

 今後2年前後に、日本海側の都市に、「米軍の」ミサイルを着弾させ死傷 者を出させ、それが北朝鮮からのものである、とマスコミ報道を行い、 一気に日本国内の世論を戦争賛成、治安維持体制に持って行く、また京 都、大阪付近で新幹線の爆破テロを起こし世論を戒厳令体制、戦争賛成 方向に誘導する(テロは米軍と自衛隊の共同作戦で実行し、イスラム原 理主義または北朝鮮のテロと報道する)。

 「京都、大阪方面」と場所が特定されている点、テロ作戦の準備を知った 軍内部からのリーク情報の可能性がある。が、真偽の確認のしようがない ので、情報の「信用度は低い」。ただし万一、本当にテロがあった場合に は、北朝鮮やイスラムのテロではなく、「戦争をするための米軍と自衛 隊の画策」である事を事前に明らかにしておくため、日本を戦争賛成の 方向に誘導させない「クサビを打ち込んでおく」ため、あえて信用度の 不確かな情報を流します。(転載ここまで)
 *******

 うーん、不気味ですね。安部政権ってなんだか怖いぞ。臨時国会で共謀 罪や教育基本法改定案を通さないようにしないとね。

第628回 2006/10/10(火)

(連載シリーズは今充電中で、今日はお休みです。)

区切り用模様


今日の話題

言葉の詐術

 このコーナーでは時々古い切り抜きを利用します。日付が不明になっているものもあります。 でも、今日的な問題からずれてはいません。

 詩人のアーサー・ビナードさんが朝日新聞にコラムを書いていました。 実に達者な日本語で感心します。私の日本語が恥ずかしくなるくらいです。 その内容も卓越しています。アーサーさんのコラムは私の楽しみの一つで した。

 今日紹介するのは「ぼくらも仲間?」という表題です。


 アメリカでロックバンドのドラムを叩いている友人に、久しぶりに電話を かけた。ツアーで回っていないとき、彼はレストランで働いて生計をたてて いるが、「ウエーターの仕事はどう?」と聞くと、「オレはもうウエーター なんかじゃなくてアソシエートなんだ。アソシエートと呼んでくれよな」 ―電話口から、彼の苦々しい諦めの表情が、伝わってきたのだった。

 友人いわく、そのレストランチェーンでは数年前に、まずwaiterとwai tressの呼称が廃止され、どちらもserverと呼ばれるようになった。そし て今度はserverがassociateに改められた。

 「サーバーには男女の区別がないので、言い換えの意義が分かりやすいけ ど、アソシエートっていうやつはもっと手の込んだ心理作戦だ。時給が上が るわけでもなければ、残業手当がもらえるわけでもなく、劣悪な労働条件が 何一つ改善されないまま、気分だけは栄転さ。言葉ってロハだからね、企業 にとっては」

 英語のassociateは漠然としているが、「共同経営者」とか「提携者」 「同人」といった、仲間意識が内在する呼び名だ。ただ、組織の一員であ りながらも対等ではなく、「準同人」 r準会員」のような、決定権のな い立場を表す。場合によって、人をその気にさせるのに重宝する。きっと 広告代理店の発案だったろうと、電話を切ってからしばらく思いを巡らし、 はっと日本語の「郵政民営化」が頭に浮かんだ。考えれば、これも手の込 んだ見事なすり替えネーミングだ。


 アメリカの労働者諸君も新自由主義という新しい資本主義システムの下で 過酷な搾取に苦しんでいるのですね。アメリカは新自由主義の大元締めです から、当然でした。

 男女差別解消のためという理由での言い換えは日本でも盛んです。「看護婦」を 「看護師」と言い換えているのを、私は先だって入院したときまで知らなかった。 だけど、男の看護師さんを一人も見かけなかったけどなあ。お年寄りや体の不自由な人の 介護をする人では男性が多いのかもしれませんね。

 「パート」という言葉の語源は「part-time jobber」です。最近は「パートナーさん」 と呼んでいるところもあるようです。「partner」は「仲間、相棒、共 同出資者、共同経営者、配偶者」などという意味であり、動詞なら「~と提携 する」です。「associate」より偉そうですが、たぶん「劣悪な労働条件」はそ のままなのでしょうね。


 なにしろ「民」といわれると、ぼくら一般市民はどこか嬉しい。自分たち のことだと思って。そして「官僚」にはまるで親しみを感じないので、 「官から民へ」と聞くと、よけい身近な感じがしてくる。ところが実際は、 郵政民営化の「民」はぼくらなんかではなく、大資本の民間企業のことを 指す。つまり「官」よりも遥かに市民から遠い、国際金融市場を支配する 巨大な「民」なのだ。

 ウォール街は、じっと待ち構えている。日本国民が、その一字を取り違え て、うっかり340兆円を落としてくれるのを。


 アーサーさんの警告にもかかわらず、日本愚国民はポチ・コイズミとその下僕の マスゴミにまんまと乗せられて、「郵政民営化」選挙を大勝させてしまった。

 ポチ・コイズミを支持した愚民たちは、相変わらずオコチャマランチ狆ゾウ にたぶらかされているようだ。救いようがないね。
第633回 2006/10/11(水)

区切り用模様

(連載シリーズは今充電中で、お休み中です。)

区切り用模様


今日の話題

「教育再生会議」って、何だ?

 北朝鮮の核実験ではしゃぎすぎのマスゴミが「不安だ!脅威だ!制裁 だ!」と相変わらず愚民を煽っている。私にはアメリカ(10300)やロシア(16000)を はじめ中国(410)・フランス(350)・イギリス(200)・イスラエル (100~170)・インド(75~110)・パキスタン(50~110)の核保有国の方が はるかに脅威です(括弧内の数字は保有核弾頭数)。これらの国が率先して核放棄をすることが まず肝要だろう。こんな分かりきったことを言うマスゴミはない。これら既成の膨大な 核弾頭に比べたら北朝鮮の核実験など線香花火のたぐいだろう。マスゴミはやはりゴミ です。
 もちろん、北朝鮮だけでなく、これ以上核保有国など増えてほしくない。

 この北朝鮮の愚行報道に隠れてしまった小さな報道のほうに、むしろ私の関心 は向いている。それは、オコチャマランチ狆ゾウ内閣が最重要課題としている「教育」政策の 露払いの役割を演じる「教育再生会議」の有識者委員の正式発表です。

 小谷実可子とか義家弘介とか陰山英男とか大衆受けを狙った人選もあり、 雑炊委員会です。私は見たことがないが、「女王の教室」というテレビドラマで 鬼教師役を演じた女優の天海祐希も候補に挙がっていたらしい。現実とフィクション の区別ができないのですね。天海さんは辞退したそうです。賢明な人です。

 委員会は雑炊で一向にかまわない。なぜなら、何回か会議を開いたうえで、政 府の顔色をキチンと読みとった提言をまとめて、マスゴミのフラッシュを受けな がら、仰々しく委員長から首相にその報告書を手渡す儀式をして幕となる、のだから。報告内容ははなから決まっている。 今までの全ての政府が設置した有識者会議のステレオタイプパターンです。

 でも曲がりなりにも会議は開く。その会議で賢い有識者と呼ばれる賢男賢女諸君は どんな議論をするのだろうか。「教育再生会議」の議論を予想することはできな いが、すでに幕を閉じた「教育改革国民会議」における賢男賢女諸君の発言が公 表されている。そこからおよその推測はできる。それを見てみよう。

 ほんの少しだけいい発言もあるが、「呆れ蛙」のオンパレードです。思い付き ばかりで、教育の理念も理論もない。知性と見識のほどがにじみ出ていて、とて も笑える。ご本人たちは大真面目なのでしょうね。

 赤字は私が笑ったところ。青字はなんて単細胞なんだろうなどと 批判的になったところ。何故笑ったり批判的になったかはご推察にまかせます。

* 一人一人が取り組む人間性教育の具体策(委員発言の概要)

1.子どもへの方策

対象者 主体
家庭が行うこと
[教育の原点で何をなすべきか]
学校が行うこと
[IT時代の学校と教員の在り方 -たかがIT、されどIT-]
地域が行うこと
[子どものしつけは親がする、 大人のしつけは誰がする]
幼児 ~高校生 共通
  • 挨拶をしっかりする
  • 各家庭に 「心の庭」(会話と笑いの場) をつくる
  • 「しつけ3原則」の提唱・実施
     甘えるな
      他人に迷惑をかけるな 生かされて生きることを自覚せよ
  • 団地、 マンション等に「床の間」を作る
  • 挨拶をしっかりする
  • 教師一人一人が信念を示す
  • 教壇を復活させることなどにより、教師の人格的権威の確立させること
  • 倫理、情操教育を行う
  • 歴史教育を重視する
  • 国語における古典の重視
  • 敬語を使う時間を作る
  • 体育活動、文化活動を教育の柱にすえる
  • スポーツを通じて人間性を育む
  • 夏休みなど長期休暇のあり方の見直し
  • 自然体験、社会体験等の体験学習の 義務化
  • 青少年施設、自治公民館等での合宿
  • 遠足でバスを使わせない、お寺で3~5時間座らせる等の「我慢の教育」をする
  • 地域の偉人の副読本を作成・配布する
  • 学校に畳の部屋を作る
  • 学校に教育機関としてのシンボルを設ける
  • 挨拶をしっかりする
  • 「しつけ3原則」の提唱・実施
  • 他人の子どもも誉めよう、叱ろう運動を国民的な運動として行う
  • 通学合宿の実施
  • 有害情報、玩具等へのNPOなどによる チェック、法令による規制
  • 小学生 <小学校高学年>
  • 教育の責任は当人50%、親25%、教師12.5%、一般社会12.5% であることを自覚させる
  • <小学生>
  • 小学校の学習内容を、知識半分、人格形成半分 にし、特に人格教育を重視する
  • 基本的な 言葉(読む、書く、語る)、社会人が持つべき最低限の算数や理科の知識を 教える
  • 簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働をする
  •  
    中学生   <中学生>
  • 簡素な宿舎で約2週間共同生活を行い肉体労働 をする
  •  
    高校生   <高校生>
  • 満18歳で全ての国民に1年ないし2年間の 奉仕活動を義務づける
  •  

    2.大人や行政が主体となって家庭、学校、地域で取り組むべきこと

    場所 主体
    家庭(保護者) 学校 地域
    大人、企業
  • 大人自身が反省する
  • 親の責任の自覚
  • 親子関係は鑑 と鏡の関係
  • 家庭教育にもっと父親が参加する
  • 親が人生の目的を持つ
  • 「しつけ3原則」の提唱・実施
  • 地域の大人が道徳の授業をする
  • 有識者ボランティアによる講演活動
  • 企業は1年間に5日程度父親が教育に関われるよう休暇を作る
  • 企業は従業員に対して子育てやボランティアのための休暇を認める
  • 企業は教育に関する書籍や地域の歴史文化に関する書籍を備えた父親文庫 を設置する
  • 各分野のプロが当該分野のノウハウを地域へ提供する
  • 名刺に信念を書くなど、大人一人一人が座右の銘、信念を明示する 
  • 行政
  • 子どもを厳しく「飼い馴らす」必要があることを国民に アピールして覚悟してもらう
  • 「ここで時代が変わった」 「変わらないと日本が滅びる」というようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
  • 国民会議の提言を広く国民に知らせるための積極的な活動
  • 家庭教育について対話できる土壌をつくるため、企業やテレビと協力して 古来の諺などを呼びかける
  • 子育てにおいて必要な事項を決めた育児憲章を作る
  • 家庭教育手帳の年度毎の更新、配布
  • 義務教育年限の子どもの扶養控除額を 100万円に引き上げる
  • 出産後の親業教育の義務化
  • バーチャル・リアリティは悪であるということをハッキ リと言う
  • 芸術、宗教、文化の領域にかかわる教育を (科学技術と社会科学に次ぐ)第3の教育軸として位置づけ、教育システムの 抜本的な再編成を早急に行う
  • 義務教育を大幅に見直し、多様化を図る
  • 一定レベルの家庭教育がなされていない子どもの就学 を保留扱いする
  • 他の子どもの学習する権利を妨げる子どもを排除する 権限と義務を学校に付与する
  • 問題を抱える学校に指導主事のチームを常駐さ せる
  • トラブルの処理は学校だけでは無理であり、教育委員会が第3者機関を 作り、そこで引き受ける
  • 警察OBを学校に常駐させる
  • ・ 子どもが生き生きと過ごしている学校の分析・検討と情報の提供
  • 部活などが体験学習の妨げにならないよう、曜日時間を限定する
  • 文部省、マスコミが1、2週間程度学校で過ごす
  • 「ここで時代が変わった」「変わらないと日本が滅びる」という ようなことをアナウンスし、ショック療法を行う
  • 教育基本法を改正を提起し、従来の惰性的気風を打ち破るための社会的ショック 療法とする
  • スローガン、目標を作り大人一人一人の生涯徳育を助長する
  • マスコミと協力したキャンペーンを行う
  • 改革を受け入れる基本的土壌を つくる
  • 中央からの文書は、簡潔・明瞭で官庁用語を使わず解りやすい言葉で 住民一人一人に伝わるよう工夫をする
  • 社会教育委員会の開催頻度を増やす とともに、青壮年の男女をバランスよく任命し、地域の教育力を回復する
  • 自治公民館の機能の活性化