2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
33. あなたと行うインターネット読書会
『良心的「日の丸・君が代」拒否』・第一回
2004年9月16日


 「31. ああ、健忘症の国民よ」で、「私自身の悔恨もこめて」という述懐を添えて「ナチ スに対して果敢に抵抗したルター教会牧師マルチン・ニメラーの戦後における告白」 を引用しました。ささやかながら「日の丸・君が代の強制」問題に取り組んでみて、 私は本当に深い悔恨の念にとらわれています。多くの闘う人たちがいることを知っていても、 時折もう遅いのかもしれないと言う絶望感に陥ります。
 私が都立高校に勤めていた頃、「日の丸・君が代の強制」の陰湿な圧力は年々強くなっていましたが、 今日のような状況は予想できず、まだまだ大丈夫と思っていました。もう何年も前から、 さまざまな県や市で暴力的な弾圧が進行していたのにも拘わらず。この問題について、 詳しく知ろうともせず、なんと無知だったことか。 マスコミのせいばかりにしてはいけないでしょう。
 『良心的「日の丸・君が代」拒否』(以下『良心的・・・』と略記します。)からの引用を二度 させてもらっていますが、いまこの本を読みながら、そう感じています。この本を詳しく読んでみようと思います。 もしよかったら、ご一緒に読んでみませんか。意見が交換できれば幸いです。

 『しかし国旗・国歌法成立に力を得た推進勢力は、さらに強制を強めてゆきます。1999 年秋に東京都教育委員会は、国歌斉唱率が全国で最下位に近いから速やかに改善し ろという趣旨の通達を全都立高校長宛に出し、強い「指導」によって実施率は跳ね上が りました。2000年春には国立市の小中学校が「日の丸・君が代」を導入させずにき たのに対して産経新聞が事実を歪曲し子どもたちを非難するキャンペーンを張り、「教 育正常化」を唱える右翼が街宣車で大挙して押しかけ、学校に「子どもを誘拐して殺 す」などの脅迫状が来るなど、暴力的圧力が加えられる事態にまでになりました。』(P53~54)

 私は『10. 教育現場での「孔の穿ち方」・その1』で次のように書きました。

 『他府県の学校では、東京都でも小学校・中学校では、もうずいぶん以前から 「君が代日の丸の強制」の嵐に見舞われ、既にその定着を許していることに改めて 思いいたる。もしかすると都立高校が「自由と民主」の最後の牙城なのかも知れない。 石原のなりふりかまわぬえげつない蛮行は、それゆえのあせりの表れなの だろう。』

 やっぱりそうだったんですね。私が都立高校を退職したのが1998年ですから、その明くる年に 上記の通達が出されたことになります。退職後は、自ら求めようとしなかったせいもありますが、 情報に乏しくこのこと知りませんでした。いきなり10・23通達かと思っていました。敵は用意周到です。

 国立市の闘いはおおよそのことは知っていました。東京都の小中学校では「自由と民主」の最後の 牙城だと思っていました。都立高校に先だって、集中攻撃を受けたのですね。
 右翼新聞による煽動 ⇒ 右翼街宣車の脅迫 ⇒ 憲法違反の行政指導 という常套手段での攻撃。 まるでお互いに連絡を取り合った上での連携プレーのようです。 こんな卑劣なことを大多数の国民は見て見ぬ振りか、無関心か、あるいは支持をしています。

 続いて『良心的・・・』は、補足の形で次のように述べています。

 『このような事態に対しては、2004年4年1月にジュネーブの国連子どもの権利委員会で日本の子 どもの権利に関する審査をおこなった際、子どもの人権や意見表明権に対する強い懸念を含む 日本政府に対する勧告が出されました。当時の国立市の卒業生を含む高 校生たちが訴えに行き、そのスピーチに、日本政府の役人の言葉よりはるかに説得力があった 結果が勧告に反映されました。』

 昨日紹介した「おいしいニュース」をもたらしてくれた人は、高校生のときから闘っています。 「国連子ども権利委員会」から「日本政府に対する勧告」を引き出したのは高校生た ちということです。日本の高校生たちは、なんと頼もしいことでしょう。絶望なんかしていてはい けないと思います。

 『良心的・・・』に掲載されている「国連子ども権利委員会」が日本政府に出した勧告を引用します。

2004年1月、ジュネーブの国連子どもの権利委員会で日本政府に対して出された勧告(抜粋)

(a) 家庭、裁判所、行政機関、施設、学校において、また施策の制定及び運用に際して、 子どもに影響を与えるすべての事柄について、子どもの意見の尊重及び子どもの参加を促進し、助長すること、ならびに、子どもがこの権利を認識することを確保すること。

(b) 子どもの自己の意見を表明する権利及び子どもの参加する権利に関する教育的な情報を、 特に、親、教育者、政府の行政官、裁判官、及び社会全体に提供すること。

(c) 子どもの意見が考慮される程度を定期的に見直し、かつ、子どもの意見の考慮が政 策及びプログラム、さらには子ども自身に対して与えたインパクトを定期的に見直すこと。

(d) 教育、余暇、及びその他の活動を子どもに提供している学校その他の施設において、方 針を決定するための会議、委員会その他の会合に、子どもが組織的に参加することを確保すること。

 「おいしいニュース」の中の、横浜弁護士会の人権擁護委員会が出した勧告と、その根本思想は 同じです。「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと 努めてゐる国際社会」の常識なのです。
 日本の国家権力は「国際社会において、名誉ある地位を占めたい」などと少しも思っていないのです。 日本の政府は上記の勧告には、どうやら知らぬ顔のハンベェを決め込んでいます。自分たちが目指そうとしている 国家と相い入れないからです。小泉や石原は国際社会の趨勢とも逆行しています。
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34. 初めての裁判所うろちょろ記
2004年9月17日


 『予防訴訟』第五回口頭審理の傍聴に行ってきました。
 裁判所と警察署は敬して遠ざけていました。警察署には運転免許更新のとき以外では、 一度、道路通行許可書とやらをもらいに行きました。自宅近辺の道路は小中学生の通学時に 自動車規制がある道路です。交通整理をしていた警官に許可書を取るように言われて行った のですが、許可書は交付されましたが、担当の者に怪訝な顔をされました。 本当は不必要だったのです。その許可書、一度も必要になったことがありません。 あの交通整理の警官の嫌がらせでしょうか。時々こういう警官がいるので油断ならない。
 無駄話でした。
 裁判所は初めてです。物々しい警戒と持ち物検査は予想していましたが、 入廷までの手続きがさっぱり分からず、私の行く場所はどこだろうかと、広い館内を あちこち捜しあぐねて迷子になってしまいました。仕方がないので、いかつい身体の怖そうな 警備員さんに尋ねました。なんと、とても親切で優しい方で、私の行くべきところまで案内してく れました。裁判所側の人間はなんとなくうさんくさいぞと先入観を持っていたので、 それを打ち砕かれて、少しいい気分になりました。入廷するときにも、その警備員さんと顔が合いました。 私が軽く頭を下げると、よかったですね、というように、ほほえんでうなずき返してくれました。
 集合場所に私が到着したときは、傍聴券の抽選がちょうど終わったときでした。あれ、せっかく 来たのに残念だなあ、と未練がましくうろちょろしていたら、抽選に外れた人はいませんか、と呼び声がします。おっ、ラッキーと、 飛んでいって傍聴券をいただこうと、手を伸ばしたら、なんと、私に傍聴券を手渡してくれた人は、私が K高校で教師をしていたときの同僚のMさんでした。Mさんは原告団のお一人でした。
 ということで、なんとか傍聴できました。

 今日の記事は尾山弁護士の弁論をまとめて、掲載する予定でした。半日掛りを覚悟していました。 しかしその必要がなくなりましたので、みなさんにはどうでもよい無駄話になりました。
 どうして必要がなくなったかといいますと、閉廷後に弁護士会館で行われた報告会での 弁護士さんたちの自己紹介で、弁護士さんのなかに澤藤さんがおいでになることを知ったからです。 「事務局長日記」で取り上げるに違いない、と思いました。いつもは翌日に見るのですが、 昨夜は10ごろに「事務局長日記」を開いてみました。驚きました。もう見事なまとめが記載さ れていました。私が半日掛りを予定していたのに、神業ですね。私はほっとして、眠りに就きました。
 ということで、尾山弁護士の弁論のまとめは「事務局長日記」を拝借します。 「事務局長日記」を読んでいる人、重複します。ごめんなさい。

 予防訴訟法廷では、尾山弁護団長の熱弁が冴えた。当事者の意見陳述は感動的だが弁護士の 陳述は無味乾燥、というのが通り相場である。しかし、今日は違った。私も感動した。

 本件において正しい判決をしてもらうためには、教育の本質、教育の特性を知ってもらわね ばならない。なかんずく、日本の教育法制が、戦前の軍国主義・超国家主義教育から敗戦を経た 反省からどう変革されたかを掘り下げて知ってもらわねばならない。戦争の悲惨。その戦争に 国民を駆りたてた教育の実態。そして、その反省を、どれも表面的になぞるだけでなく、 腹の底から理解してもらわねばならない。

 さらに、寛容ということを知ってもらいたい。「日の丸・君が代」の強制は、多元的価値を 認め合う民主主義に相容れない。人がそれぞれに差異をもっていることを認めることが民主主 義の出発点である。「自分は民主主義は認めない。だから、「日の丸・君が代」を強制す るのだ」と言うなら、それなりに一貫している。一見民主主義者のポーズをとりながら、 「日の丸・君が代」を強制するのは、もっとも悪質で、狡猾な民主主義の破壊者である。

 もちろん、石原慎太郎と横山洋吉、そしてその取り巻きを念頭においての発言である。 言葉は人格の一部だ。発する一言一言に千鈞の重みがあった。
35. あなたと行うインターネット読書会
『良心的「日の丸・君が代」拒否』・第二回
2004年9月18日

 『良心的・・・』の巻頭論文は「予防訴訟をすすめる会」の池田幹子さんです。 全国民にぜひ読んで欲しい文章です。的確に「日の丸・君が代」問題をまとめています。
 次の引用文は、その論文の「最後に」という章です。

 「もしイタリアで200人もの教員が処分されたら、連日、大きな抗議デモが起きる だろう」とあるイタリア人が感想を話したそうです。日本でそのようなうねりは起きる でしょうか? 司法に訴える以外、手立てはないのでしょうか?
 いま、「日の丸・君が代」強制はほぼ完成しつつある中で、イラクへ自衛隊は派遣さ れ、「教え子を再び戦場へ送らない」という戦後教育の原点の議論もなく、学校の日常 は忙しく過ぎていきます。「国家のために死ねる若者を育てる」という教育への要請も、 教育基本法改定を求める議員等から声高に聞こえてくるようになりました。
 その中で、「不起立」「伴奏拒否」にこめられた、いくつもの間いかけが、学校の外に 向かって発せられ、またこの社会、学校の構造に組み込まれた教員一人ひとりに向かっ て、新たな問いが発せられ始めています。
(P.58)

   『「不起立」「伴奏拒否」にこめられた、いくつもの間いかけ』を私たちは私に向けて 発せられたものと受け止めようではありませんか。
 脱稿した直後に情報を得たのでしょうか、「追記」として付け加えられた文章が続きます。

 横山洋吉東京都教育長は、六月八日の都議会で、10・23通達に基づき子どもを指導す ることを校長の職務命令として出す方針であると答弁しました。生徒への「君が代」斉 唱時の起立指導などが教職員への職務命令とされることを意味します。教職員が生徒を 起立斉唱させる監視・強制役になるよう追い込まれています。多数の教職員が憲法・教 育基本法を遵守して職務命令に抗する結果としてさらなる大量処分が出されるのでしょ うか? それとも…‥?  もはや学校の中だけで抵抗できる限界を超えています。臨界点を超えて一気に「自由 と人権」を獲得する闘いへとあらゆる人びとに広がることに希望を託します。(P.59)

 ここで懸念されていることが、先日実行されました。高校の全校長が集められて、 『生徒への「君が代」斉唱時の起立指導』が職務命令として通達されたと言うことです。
 今春の入学式・卒業式で、校長・教頭が教師を強制・監視していましたが、今度は いよいよ教師が生徒を強制・監視することを「命令」されることになったのです。 これが教育ですか。
 私が現役の教師だったら、もうためらうことなくこの「職務命令」は拒否します。現役の 教師たちに檄を飛ばしたい。圧倒的多くの教師が立ち上がれば、きっと大きなうねりを起こします。

 むなしいと思いつつ、言わざるを得ません。
 教育関係以外の方々にも、お願いします。「日の丸・君が代の強制」に強い関心を寄せてください。 どうか、闘う教師たちを支援してください。大きなうねりを作る一つの波になってください。 もう教師だけの問題ではないのです。この国の明日の在り様が掛かっています。こんな 無茶苦茶なことがまかり通ってよいのでしょうか。
36. 小中学校の教師たちの闘い
2004年9月19日


 まずはじめに、いいお知らせ。東京弁護士会が下記のような趣旨の意見書を都教委に提出しました。 詳しくは『「日の丸・君が代による人権侵害」市民オンブズパーソン』(トップページから入れます。) で読むことが出来ます。

   東京弁護士会
 「国旗・国歌実施指針」に基づく教職員処分等に関する意見

                                
2004.9.7

               
意 見 の 趣 旨


 東京弁護士会は、東京都教育委員会の2003年10月23日付「通達」による学校行事等における 「国旗・国歌実施指針」に基づき教職員の処分ないし厳重注意などの不利益扱いを行うことは、 教職員及び子どもの思想良心の自由を侵害し、子どもの教育を受ける権利を侵害する事態を招 くため、かかる処分等を行わないよう強く要望する。



 小中学校では14名の処分がありましたが、そのうち8名はまとまって人事委員会に提訴したそうです。
 その8名の方全員の思いが掲載されていますので、全文を紹介します。 

「反ひのきみネットML」より
~~~~~~~~~~~~~
★9月22日(水)午後6時から 新宿南口5分の新宿農協会館にて
集会名 「君が代」不当処分に抗議し、撤回を求める9.22集会
日 時  2004年9月22日(水)午後6時~8時
場 所  新宿農協会館(新宿南口下車5分)
(代々木2-5-5 電話 03-3374-4381)
内 容  ①これまでの経過とこれからの闘い
          「君が代」不当処分撤回を求める会、担当弁護士
     ②被処分者からの訴え
     ③参加者の意見交換
主 催  「君が代」不当処分撤回を求める会(連絡先:東京教組03-5276-1311)
~~~~~~~~~~~~~~~
「君が代」不当処分撤回を求める会会報「コンタラタック(仏語で反撃)」に掲載された被処分者8 人の声を送信しますのでお読みください。

被処分者の想い
★★Aさん
 卒業式は卒業生の門出を祝う子どもたちを中心とした学校行事であること、「日の丸・君が代」の 過去の歴史的事実、実際に宗教上の理由で起立できない教え子が苦しんだこと、私にも思想・信条の 自由があること、そして何よりも今の社会情勢を見た時、今回の強制が何を意味するのか職員会議な どでことある度に訴えてきました。しかし、上意下達のシステムの中では何を言ってもだめでした。
 処分をちらつかせての強制は、『自分の頭で考えることが大切』と子どもたちに言ってきた私が、 どこまで子どもたちに嘘をつかないで行動できるか試されることでした。「ビデオ係でギャラリーに いられる」私でしたが、それでも処分される可能性はあり、正直怖かったです。でも、都立高校の卒 業式で生徒まで現実に強制される事態にやはり座っていてはいけない、教員として自分の言動に責任 を持たなければならいと思いました。

★★Bさん
 私が、卒業式と入学式の日の丸・君が代に毎年反対してきたのは、私の思想信条もさることながら、 学校にわずかに拡がろうとした民主主義が、成熟への入り口にも達しないうちに、つぶされることの 象徴だったからです。学校の民主主義を創り維持するには、互いの非常な努力が要るけれど、仲間と 模索していくのは生きがいを感じることでした。10.23通達で、学校民主主義は“み”の字もなくな りました。教育が、強制と服従になったら、これはもう“教育”ではないと思います。
 職務命令と処分で脅されて君が代で立つ、なんてできない自分と出会えて、少し自分を見直しまし た。この怒涛の時代、この自分と付き合っていきます。

★★Cさん
 処分が言い渡されたのは、入学式の日の朝でした。入学式の前に始業式があります。新しい学校に 異動させられ、クラスの子ども達と初めて会う前の、それでなくても気ぜわしいひとときでした。処 分の言い渡しまで、入学式に対するプレッシャーを与える効果を第一に考え、私達が子ども達との出 会いに心を寄せる時間を奪って平気です。このことからも都教委が教育のことなど何も考えていない ことは明らかです。

★★Dさん
 舞台の袖に指導主事が隠れて一部始終を見ていたなんて、誰が思ってみただろう。あの日のことを 思い出すとたまらない気持ちになる。
 異動先の入学式で不起立による処分があった。処分そのものよりも「こっそり見張られていた」こ とに衝撃を受けている。これまでずっと『君が代』の伴奏をしなかった。そして立って歌わなかった。 ただそれだけのことだ。
 私はなにもやましいことはしていない。

★★Eさん
 今でも卒業式当日のあの瞬間のことはよく覚えている。教頭がおののいたようにこちらを見たのだ。 たった何十秒かのできごとであった。それによって私はこれから都教委と闘うことになったのだ。と 言っても、非力な私はどうやってこれから切り抜けて行ったらいいのか内心どきどきである。でも、 ちょっとは楽しいことがあるかもしれない。着席の理由は単純だ。都教委のやり方や、それを忠実に 実行しようとする校長が許せなかったのだ。
 処分をちらつかせて、口を封じようとすることに異を唱えたかった。しかし、何回も処分を受ける わけにはいかない。事は終わりではなかったのだ。全ての人に問われていることだとは思うが、これ から自分の職場で何ができるのかということ。そのことを抜きに裁判だけをやっていてもしょうがな い。人事委員会提訴がまた、自分を叱咤激励をしてしまうというサイクルにはまりながら、ぼちぼち とやっていこうかと考えている今日この頃です。

★★Fさん
 つい5~6年前のことです。「『君が代』ぐらいで、そんなにすぐに戦前のようになるわけがない。」 こう言って、職員会議でわたしの意見に反対した新任教頭(現在市内の若手校長)がいました。しか し、今はどうでしょう。ほんとに短期間で、こんなにも危うい国ができてしまいました。
 私がしたことは、「高らかに歌うだなんて気恥ずかしい」との気持ちからです。気恥ずかしいと感 じることも許さない「歌」=国家があるという恐ろしさを感じます。
 気恥ずかしさもかなぐり捨てて起立して大きな声で歌うことが教職員の職務だというのが、今回の 「処分」なのでしょう。
 こうした処分をふりかざす都教委の暴走を、少しでも食い止めることになればと思い人事委員会提 訴の一人に加わりました。

  ★★Gさん
 私の職務は座ることだったんだと、今、すっきりとそう思えるようになりました。
 校長から立って歌うことを職務命令として出された時、私は「それは私達の職務とは思えません」 と一言発言しました。

 子どもが見事に捨てられた卒業式でした。悲しかったです。悔しかった。
 当日は証書の手伝いでしたから、日の丸に礼をする校長の後を真っ直ぐな姿勢で壇上にのぼりまし た。校長が証書を渡す横で私はピースリボンを胸につけ、一人一人の子の顔を見て「幸せになってね」 と心の中で呼びかけていました。
子どもを主人公としてとりもどしたい!
その気持ちでいっぱいです。

★★Hさん
 座って「君が代」を聞きながら、やり場のない怒りがこみあげてきました。職務命令と処分という 脅しの前に、かくも簡単に思想・良心の自由は奪われてしまうのだ。大声を上げたわけでもなく、静 かに座っていただけである。八王子では、指導主事が式の最中にメールをやりとりしていたり、教頭 が現認するためにキョロキョロ後ろを見ていたり。私よりよほど目だっていたと思われる。彼らの 「処分」のほうが先でしょうと言いたい。
37. 根津公子さんの闘い
2004年9月20日


 「31. ああ、健忘症の国民よ」で紹介しました <「日の丸・君が代」処分事件>の うち「11. 八王子・石川中事件」の当事者は根津公子さんという方です。根津さんの 被処分の概略が「反ひのきみネットML」で配信されました。私は始めて詳細を知り、 びっくりしています。ぜひ紹介したいです。

「反ひのきみネットML」より
根津さんの被処分の概略

   第1次処分(1994・3)……八王子市立石川中学校
 校長は職員会議の決定を破り卒業式に日の丸を揚げた。生徒が「下ろして」と叫ぶ混乱の中で 根津さんは下ろし、減給処分

第2次処分(1995・3)……八王子市立石川中学校
 職員会議の決定を踏みにじって揚がった「日の丸」について学級通信の記述で訓告処分

第3次処分(1999・3)……八王子市立石川中学校
 授業で使ったプリント「自分の頭で考えよう」という趣旨の授業内容で訓告処分

★ ★石川中裁判 東京地裁八王子支部にて敗訴(2004/5/27) すぐに東京高裁に控訴

 2004・10・5 第1回審理

第4次処分(2002・3)……多摩市立多摩中学校
 家庭科の時間に「男女共生社会を生きる」というテーマで従軍慰安婦の授業をしたこと が狙われ、根津さんを指導力不足教員に仕立て、都研送りにして研修(思想改造)を迫り、 やがては分限免職に追い込もうとねらった都教委・多摩市教委・地元の一部勢力が関わった あからさまな謀略攻撃。本人はもとより、組合、市民団体の猛反撃でたくらみは挫折。 指導力不足教員攻撃は跳ね返したが、その最中に「協議会に出ろ」という職務命令に従わ なかったという「腹いせ・こじつけ」減給処分

      ★★多摩中謀略事件  東京都人事委員会への不服申し立て却下される(2004/5/25)

  すぐに東京地裁に提訴

  2004・10・5 第1回審理

第5次処分(2003・3)……調布市立調布中学校
 都教委が、自ら定めていた教員異動要綱を破り、根津公子さんを通勤往復 4時間かかる調布中へ異動させる。しかも調布中には既に家庭科の教員がおり、 根津さんは最初から見せしめ過員配置

★★調布中への見せしめ異動 東京都人事委員への不服申し立て却下される(2004/6/15)

 東京地裁に提訴の予定

現在……立川市立立川二中
 通勤往復3時間に戻される。しかし立川二中にも既に家庭科の教員がおり、 ここでも過員配置。授業はすべてその教員と二人でやるTT(Team Teaching)という名の ″監視付き″


権力の執拗で陰湿なやり方と、度重なる処分にもひるまず堂々と身を処 している根津さんと、その両方にびっくりしてます。いまさらながら都の教育行政の愚かさにはあきれ返ります。 そして根津さん、すごい人ですね。支援の方たちもすばらしい。石原に尾を振るだけの校長・教頭らに根津さんの爪の垢を送りたい。

 第3次と第4次の処分は教育内容に対する処分です。私が用いている教育の内実による区分を用いて言う と、問題提起型教育(人間解放のための教育)が攻撃されています。教師全員を銀行型教育( 抑圧者に奉仕する教育)の隷従者にしようという意図が見て取れます。現役の先生方、他人事ではありませんよ。
(問題提起教育・銀行型教育というについては、「バックナンバーの14.15.17.」をお読みください。)

 それにしても、人事委員会も裁判所も、いったいどうなっているんでしょう。 とても公正な審理がされているとは思えません。 石原に尾を振る権力の番犬に成り下がっているのでしょうか。



 次のような集会があります。先日傍聴した「予防訴訟」の報告会で知りました。 ご紹介します。




9/23労働者市民のつどい
とめよう!戦争のための教育基本法大改悪!

とき 9月23日
午後1時開場、1時30分開会(4時30分終了)
ところ 星陵会館(東京都千代田区永田町2-16-2)
主催 とめよう戦争への道!百万人署名運動
(〒101-0061 千代田区三崎町2-6-7-301 TEL.FAX. 03-5211-5415


参加する予定です。