2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
辺野古・高江リポート(2020年10月14日に掲載)
設計変更に意見書1万8000件
【5日】
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古への移設に伴う新基地建設。
同県本部町の本部塩川地区ではクレーンを使い、ダンプトラックから運搬船へ 土砂を積み替える様子が確認された。船は百三十三台分の土砂を積み、出港した。
名護市辺野古のキャンプ・シュワプゲート前では、
工事資材を積んだトラック百七十六台が基地内に入っていった。
同市安和の琉球セメント桟橋前では土砂の搬出が続き、
市民らがプラカードを掲げ抗議した。
【6日】
米軍キャンプ・シュワブゲートでは工事車両百七十一台の出入りが確認された。
ゲート前で三十五人の市民が抗議し、
「辺野古に基地はいらない」などとシュプレヒコールを上げた。
名護市安和の琉球セメント桟橋付近の海上では土砂の搬出作業が行われ、
市民らがカヌーに乗って抗議した。
本部町の本部港塩川地区では土砂の搬出作業は確認されなかった。
【7日】
新基地建設に反対する市民らは米軍キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、
資材搬入する工事車などに向けて抗議の声を上げた。
約五十人が参加し、「違法工事やめろ」 「土砂投入は許さないぞ」と声を張り上げた。
基地建設を監視する市民によると、
辺野古崎南西側の海上に設置されている浮具(フロート)が一時的に陸に引き上げられていた。
接近する台風14号の影響とみられる。
【9日】
新基地建設に向けた沖縄防衛局の設計変更申請の内容について、
県は県に寄せられた意見書が速報値で一万八千九百四件だったと発表した。
二〇一三年に当初の埋め立て承認申請が公開された際の意見書数は約三千件。
今回はその約六倍となった。
県は九月八~二十八日の三週間、全文を公開し、
県民ら利害関係者から意見書を募っていた。
県内を中心に市民団体らが意見書提出を呼び掛ける集会を開くなどしていた。
県外や国外からの意見書もあった。
県は集まった意見書の内容を確認する作業に入る。
その後、関係団体・機関の意見も照会する予定。
新基地建設阻止を掲げる玉城デニー知事は承認申請に応じない構えだ。
(琉球新報)
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東京新聞(10月2日付け)の3面の一番下に2段組み(格段ともにわずか20行の)「辺野古問題」を取り上げた記事がありました。
短い記事ですが記事の内容は「辺野古問題」の「核心」を滞りなく取り上げている見事な記事でした。
今回はこの記事を転載することにします。
短い記事ですが記事の内容は「辺野古問題」の「核心」を滞りなく取り上げている見事な記事でした。
今回はこの記事を転載することにします。
防衛省沖縄防衛局は1日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古沿岸部への移設を巡り、
埋め立て予定区域全体の約4%となる約6・3haで、海水面から高さ3・1~4mまで埋め立てを完了したと発表した。
今後、滑走路を造成するため土砂のかさ上げ工事に着手する方針で、原状回復はさらに困難になった。
防衛省によると、埋め立てる海域全体の面積は約152haで、このうち18年12月に土砂投入を始めた区域で完了した。
県の玉城デニー知事は「全体のわずかだ。工事は遅々として進まず、辺野古移設は普天間飛行場の一日も早い危険性の除去にはつながらない」とのコメントを出した。
防衛省は一九年三月、埋め立て完了区域の西に隣接する約三十三㌶の区域でも土砂投入を開始。
今年八月末時点で、必要な土砂の約五割を埋めた。
辺野古移設を巡っては、防衛省は昨年十二月、埋め立て予定海域東側にある軟弱地盤に対応するため、
工期を当初想定の五年から約九年三ヵ月に延ばす計画見直し案を発表。
事業完了に必要な期間は約十二年となり、普天間飛行場の返還は三〇年代以降にずれ込む見 通し。
安倍(コベ軽薄姑息うそつきカルト)首相が辞任して、菅義偉(すがよしひで)が新たな首相になったが、
日本の政治に良い変化が起こるだろうか。 「辺野古」問題に対する対応も含めて、まったく期待はできない。
朝日新聞デジタル版の記事を転載させて頂こう。
さて、上述のことを証明している東京新聞に掲載された「辺野古高江リポート」を2編転載します。
日本の政治に良い変化が起こるだろうか。 「辺野古」問題に対する対応も含めて、まったく期待はできない。
朝日新聞デジタル版の記事を転載させて頂こう。
「朝日新聞デジタル」記事より転載します。
安倍晋三首相は28日、辞任する意向を固めて、16日夜に菅内閣が発足した。
菅義偉首相は首相官邸で、就任後初の記者会見に臨み、 冒頭、安倍晋三前首相の辞任について「病気のため道半ばで退かれることになった。無念の思いを推察する」と述べた。
その上で
「この国難に当たって政治の空白は決して許されない。
この危機を乗り越え、全国民のみなさまが安心して生活を取り戻すためには、
安倍政権が進めてきた取り組みを、しっかり継承して前に進めていく、
そのことが私に課された使命だ」
決意を語った。
さて、上述のことを証明している東京新聞に掲載された「辺野古高江リポート」を2編転載します。
辺野古・高江リポート(2020年9月 22日に掲載)
菅新政権「基地強硬変わらず」
【15日】
米軍普天間飛行場移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は、土砂投入を続けた。
名護市安和では、新型コロナウイルス感染防止のため中止していた海上での抗議活動が約一カ月半ぶりに再開された。
市民らはカヌー九艇とボート一隻で抗議活動を展開した。カヌーチームの鈴木公子さんは「弾圧が強くなればなるほど私たちは闘う意思を強くする」と話した。
【16日】
新基地建設で、沖縄防衛局は、名護市安和の琉球セメント桟橋や本部町の本部港塩川地区で辺野古への埋め立て用土砂搬出を続けた。
菅義偉氏の首相就任に、基地建設に抗議する人たちからは「安倍政権の継続でしかない」と警戒する声が聞かれた。
本部町島ぐるみ会議の原田みき子さん(七一)は、菅配備型迎撃システム「イージス・アショア」の配備が断念されたことを指摘。「血税を使い沖縄の資源を破壊し、戦時下に標的となる新基地建設も断念してほしい」と訴えた。安和桟橋前でで抗議をしていた新垣勉さん(六七)=南風原町=は菅政権の誕生に「基地建設を強硬する姿勢は変らない」と述べた。
【17日】
新基地建設で、沖縄防衛局は、キャンプ・シュワブや同市安和の琉球セメン下桟橋、本部町の本部港塩川地区などで関連作業を続けた。
安和の桟橋では、ダンプトラック七百五十四台分の土砂搬入を確認。ダンプトラック七百十八台分の分の土砂を運搬船に積み込み、搬出した。
塩川地区では、台船四艘大型車両五百十六分の土砂を積み込んだ。
【18日】
新基地建設で、沖縄防衛局は、辺野古のキャンプ・シュワブや安和の琉球セメント桟橋、本部町の本部港塩川地区で土砂の搬入作業などを紡けた。
市民らは「違法工事をやめろ」などと抗議した。
(琉球新報)
辺野古・高江リポート(2020年9月29日に掲載)
座り込み6000日決意新た
【21日】
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野古移翠に伴う新基地建設に反対する人たちが、辺野古海岸のテント村で座り込みを始めて、六千日となった。新型コロナウイルス感染拡大防止のため集会などは開かず、一部の市民のみが集まった。座り込み日数を刻む看板を前に写真を撮るなどして、今後も続く抗議活動への決意を新たにした。
座り込みは二〇〇四年四月十九日、政府が辺野古沖の海底ボーリング調査を行った日に始めた。現在は感染防止対策の観点から、平日は午前中のみ少人数で抗議する。座り込みを続ける田仲宏之さん(四八)は「状況は変われど、新基地建設反対の意思を示す根っこは変わらない」と力を込めた。
埋め立て工事は着々と進んでおり、辺野古の海岸近くに住む七十代女性は「風景ががらっと変わってしまった。海をこれ以上汚さないでほしい」と悲痛な声を上げる。
一方、沖縄防衛局が県に提出した工事の設計変更承認申請書に対して意見を募る「告示・縦覧」を巡って、基地建設に反対する有志の人々が、宜野座村の「道の駅ぎのざ」前で県に意見書を送るよう呼び掛けた。
意見を受け付ける県土木建設部海岸防災課の宛先を記した特製のはがきなどを、訪れた行楽客らに配布した。沖縄平和運動センターの山城博治議長は「設計変更申請に知事がノーと言えば工事が止をる。意見書を送って、知事がノーと言える世論をつくっていこう」と訴えた、
【25日】
沖縄防衛局はこの日も作業を続廿た。同県本部町の本部港塩川地区ではダンプトラック百三十二台分の土砂が運搬船に積み込まれた。土砂搬入に抗議する市民からは、防衛省が二十四日に、大浦湾側の軟弱地盤の改良工事で最大一日百隻程度の作業船を展開する見通しを示したことを、疑問視する声が上がった。兼統一連の瀬永和男事務局長は「地盤改良船の大きさを考えると、l現場を見ずに想定した机上の空論にすぎない」と指摘した。
(琉球新報)
《8月6日・8月8日・8月29日》とカテゴリ「辺野古問題」の記事を「辺野古・高江リポート」を転載して更新してきましたが、
その後ブログ【自由のための「不定期便」】全体の更新をできず長らくご無沙汰をしてしまいました。
我ながら大変だらしがないと呆れています。
ところで、《9月1日・9月16日》付けの東京新聞に久しぶりに「辺野古・高江リポート」が掲載されました。
取りあえずこれを転載してカテゴリ「辺野古問題」を更新しておくことにします。
(その後どうするかは少し時間をかけて検討することにします。)
さて、上記の「辺野古・高江リポート」を転載しますが、前にも書きましたように、
「アベコベ軽薄姑息うそつきカルト首相」の「辺野古問題」への対応は、
相変わらず沖縄の民意無視の愚策の強行が行われています。くBR>くBR>
我ながら大変だらしがないと呆れています。
ところで、《9月1日・9月16日》付けの東京新聞に久しぶりに「辺野古・高江リポート」が掲載されました。
取りあえずこれを転載してカテゴリ「辺野古問題」を更新しておくことにします。
(その後どうするかは少し時間をかけて検討することにします。)
さて、上記の「辺野古・高江リポート」を転載しますが、前にも書きましたように、
「アベコベ軽薄姑息うそつきカルト首相」の「辺野古問題」への対応は、
相変わらず沖縄の民意無視の愚策の強行が行われています。くBR>くBR>
辺野古・高江リポート(2020年9月1日に掲載)
首相辞意「やっとか」
【25日】
米軍普天間飛行場の移設に伴う沖縄県名護市辺野古の新基地建設で沖縄防衛局は、二日連続で工事を休止した。
一方、米軍キャンプ・シュワプで関係者二人が新型コロナウイスに感染したが、防衛局工事を継続する方針を示したのを受け、沖縄平和運動センターの山城博治議長は「県内の感染拡大の一因は米軍にある。工事継続はり得ない。感染が落ち着くまで全ての基地を閉鎖すべきだ。県も米軍に毅然と対応してほしい」と語った。
【26日】
新基地建設で沖縄防衛局は、埋め立て工事に向けた土砂搬入を継続した。大雨の中、工事関係車両が米軍キャンプ・シュワプゲートから埋め立て区域に運び込んだ。少人数の市民らがプラカードを掲げ基地建設反対を訴えた。
名護市安和の琉球セメントの桟橋、本部町の本部港塩川地区での作業は確認されなかった。
【27日】
新基地建設で沖縄防衛局は、米軍キャンプ.シュワブゲートへの搬入作業を続けた。大型車両六十四台分の搬入が確認された。琉球セメント桟橋では、仮置き場に積まれた土砂を安和鉱山に運び戻す様子が確認され、作業は終日続いた。午後五時時点で、ダンプトラック七百五十台分の土砂を鉱山に戻した。本部港塩川地区では作業は確認されなかった。
【28日】
安倍晋三首相が辞意を発表し、辺野古の新基地建設現場で抗議する市民らは「やっとか」「良かった」などと喜んだ。ゲートへは大型車両四十九台分の資材が搬入された。
琉球セメント桟橋前では二十七日に続き、仮置き場に積まれた土砂を運び出す様子が確認された。作業の理由についで沖縄蘭衛局は「石材の販売業者が台風対策のために行ったと報告を受けている」と回答した。
米軍キャンプ・シュワブゲート前では市民が数人座り込み、抗議を続けた。山城議長は「(首相辞任に)安堵の気持ちが強い。最近では「GO TO」などばかげたキャンペーンを出し、県内で新型コロナの感染が広がった。責任を取ってから辞めるべきだ」と強調した。
(琉球新報)
辺野古・高江リポート(2020年9月16日に掲載)
緊急集会 「新基地中止を」
【9月7日】
米軍普天間飛行場の沖縄県名護市辺野移設に伴う新基地建設への抗議活動が、県独自のの緊急事態宣言が解除されたため、約一ヵ月ぶりに再開した。市民ら約三十人が米軍キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、工事の中止などを訴えた。
同日、資材を積んだ工事車両約六十台が同基地へ入った。沖縄平和運動センターの山城博沿議長は「これからも政権と闘って、辺野古の工事を止めたい」と述べた。
【8日】
沖縄防衛局は、同市安和の琉球セメント桟橋へ土砂などの搬入作業を進めた。桟橋内の仮置き場にあった土砂は台風対策でいったん搬出されていたが、この日は午前九時前から大型車両が連なり、次々と資材を運び込んでいた。
桟橋の入り口と出口では基地建設に反対する市民らが集まり「戦争につながる基地はいらない」「赤土搬入はやめろ」と抗議した。
【10日】
沖縄防衛局は、台風で中断していた海上の工事を再開した。海上では運搬船からの土砂積み替え作業に対して抗議の声が上がった。米軍キャンプ・シユワブゲート前では約七十人の市民らが「違法工事をやめろ」「沖縄に基地は要らない」と抗議lした。
【11日】
沖縄防衛局が四月に県に提出した設計変更承認申請書の告示・縦覧が始まったことを受け、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議は、那覇市の県民広場で「設計変更を認めず、新基地建設の即時中止を求める」緊急集会を開いた。約二百人が参加し、新基地建設の不条理を訴え、多くの市民や団体に意見書の提出を求めた。
高里鈴代共同代表は「工事の矛盾や間違いを、改めて一つ一つ示していこう」と述べ、多くの人々へ意見書提出を呼び掛けた。衆院議員の赤嶺政賢氏は「戦争の激戦地になったあの糸満から、戦争のための米軍基地を造る土砂を採取することは、県民からすると到底許されない」と強調した。
(琉球新報)
東京新聞の 日曜版(8月㏡付)は「辺野古問題」の「本質」や「経緯」を取り上げていました。
その記事を紹介することにしました。
この日曜版の制作を行った方は次のお二人です。
サンデー版編集部:安藤美由紀 社会部中沢誠
出典(参考文献)として「防衛省、沖縄県などのホームページや資料」用いているそうです。
それでは記事の転載を始めます。
「前書き」
最後に 日本大学理工学部准教授の「鎌尾(かまお)彰司(しょうじ)」による まとめの論説を転載します。
この日曜版の制作を行った方は次のお二人です。
サンデー版編集部:安藤美由紀 社会部中沢誠
出典(参考文献)として「防衛省、沖縄県などのホームページや資料」用いているそうです。
それでは記事の転載を始めます。
「前書き」
辺野古新基地
1995年9月に米兵による少女暴行事件が発生したことを受け、96年4月、橋本龍太郎首相 とモンデール駐日米大使が沖縄県宜野湾市の住宅密集地にある米軍普天間飛行場の返還で合 意した。99年に同県名護市辺野古に移設が決まったが、稲嶺恵一知事は15年を使用期限とする条件で受け入れを表明した。しかし、政府は2006年に恒久的な施設とする現行計画を閣議決定し、現在も続く政府と県の対立の火種が生まれた。(肩書はいずれも当時)
米軍使用の軍事基地移籍先
辺野古に決まった経緯と辺野古の問題点
1995年9月に米兵による少女暴行事件が発生したことを受け、96年4月、橋本龍太郎首相 とモンデール駐日米大使が沖縄県宜野湾市の住宅密集地にある米軍普天間飛行場の返還で合 意した。99年に同県名護市辺野古に移設が決まったが、稲嶺恵一知事は15年を使用期限とする条件で受け入れを表明した。しかし、政府は2006年に恒久的な施設とする現行計画を閣議決定し、現在も続く政府と県の対立の火種が生まれた。(肩書はいずれも当時)
辺野古海底の軟弱地盤
沖縄県には現在も在日米軍専用施設の約7割が集中しています。
2018年12月からは名護市辺野古で、新基地の埋め立て工事が始まりました。
建設地の海域東側には軟弱地盤があり、世界でも工事実績のない海面下90㍍まで達しています。
辺野古問題の辺野古の工事をめぐる経緯
2013年12月
沖縄県の仲井真弘多知事(当時)が名護市辺野古沿岸部の埋め立を承認
15年10月
翁長雄志知事(同)が承認取り消し。その後、国との法廷闘争で県敗訴確定
17年4月
国が埋め立て海域を囲む護岸工事に着手
18年3月
地元紙が「辺野古沖に軟弱地盤」と報道
8月
翁長知事が死去、県が
承認を撤回
9月
玉城デニー氏が知事初当選
12月
政府が辺野古で土砂投入を開始
19年2月
沖縄県民投票、
投票総数の7割超が埋め立てに「反対」
12月
防衛省が基地の完成まで約12年、経費は3500億円以上
から9300億円になると発表
20年4月
軟弱地盤の改良工事で政府が設計変更申請(県は認めない方針)
6月
県議選で辺野古反対の候補が過半数
国が工事再開
70㍍以深、実績なし
地盤が軟らかいままだと埋め立てても沈んでしまうので地盤を固めておく 改良工事が必要。
70㍍以深、実績なし.
その工法の1つが「サンドコンパクションパイル工法」。
金属を打ち込むのではなく、砂を投入して締め固める。いわば砂の杭(クイ)だ。
新基地全体で7万本以上打つ予定。
ただ70㍍以深に対応する作業船はなく、実績もない。
最後に 日本大学理工学部准教授の「鎌尾(かまお)彰司(しょうじ)」による まとめの論説を転載します。
立地に不安 難しい工事
大浦湾周辺の海域は、ジュゴンをはじめとする絶滅危惧種262種を含む
5800種以上の生物が確認される多様な生態系が狭い水域に組み合わさっている
自然豊かな場所である。
その大浦湾の辺野古崎に埋め立て工事が実施されている。辺野古新基地である。
この埋め立て予定の海底は特異な地形となっており、海面下30㍍の海底地盤は最
深部で六十㍍もの軟弱地盤が堆積している埋没谷となっている。
しかしながら、そのすぐ近くの場所では海面下数㍍まで岩山がある起伏に富んだ
地形がみられる。この場所に埋め立て工事を実施するためには簡単な工事では終わらない。
1つは埋没谷には新しい時代に堆積した未固結軟弱地盤が深く堆積しており
地盤改良工事が必要となる。軟弱地盤の改良工事自体は珍しくないが、
最深部では海面下90㍍にも達するため、地盤改良の機会がわが国にも海外にも存在しない。
可能な限りの深さまで地盤改良をしても、残り20㍍は未改良のままにするしかない。
さらに、最深部の地盤は、地盤調査・室内試験」がほとんどされていないため、
設計に必要な指標は、数百㍍離れた別の場種の試験データを参考にしている。
本当に同一な地盤であるかの検証も必要となろう。
2つ目は、硬い岩山と軟弱地盤が共存する遷移領域に埋め立て地盤を保護する
コンクリート製の護岸構造物を建設しなければならないことである。
がんばんや地盤改良した上部の砂地盤では沈下が発生しないものの、
軟弱な粘土地盤では発生し、沈下量も大きく長期間続く。
この遷移領域 に段差が生じる可能性があるということである。
将来的な補修工事も視野に入れた検討が必要になる。
最後に、埋め立て土砂についてである。東京ドーム16.1杯分(約2000万立方㍍)必要となる。
県内から供給できるであろうか。
県外から土砂の供給も考えられるが、沖縄県の条例に規定される外来種の持ち込み等の対策も必要となり、
そう簡単には実行できそうもない。さらなる費用と工期が必要になってくるものと考える。