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2006年9月4日 ホームページ『「日の丸・君が代の強制」と闘う人たちと勝手に連帯するレジスタンスの会』からの引越し完了しました。
 今日の話題3

「嫌韓嫌中」問題」(4)

   今回転載するのは9月15日に「こちら特報部と、その同じ紙面の『ニュースの追跡』」欄に掲載された論説です。
   まず、『ニュースの追跡』」欄の論説を転載します。

徴用工と働いた91歳 報道に眉ひそめ

テレビで女性暴行肯定発言 「嫌韓」重なる記憶

「加害の歴史向き合って」

【前文】

   「韓国なんて要らない」とうたう週刊誌やテレビの報道、慰安婦をモチーフとした少女像を巡る展示の中止…。はびこる「嫌韓」の空気に眉をひそめる人がいる。水戸市の高鍋あいさん(九一)。太平洋戦争末期、陸軍の工場に動員され、朝鮮人徴用工と共に働いた。「あの頃に引き戻されるよう」と薄気味悪さを感じている。             (安藤恭子)

   高鍋さんは新潟県の高等女学校を卒業した一九四四年春、戦時下の労働力不足を補うために創設された「女子挺身隊」に入隊。十七歳で旧日本陸軍の工場「相模陸軍造兵廠」(相模原市)に動員され、戦車の計器組み立てなどを担った。
   その年の冬、数十人の朝鮮人徴用工がやってきた。別棟で働き、監督役の軍人から怒鳴られ、日常的に殴られていた。話す機会はなかったが、夜中まで黙々と働く姿が印象に残った。

   他の男性工員らも「朝鮮野郎」と見下していた。ある日、一人の工員が高鍋さんに「やつら日本語しゃべれないべ。でもな、かまうとこう言うべよ」と話しかけてきた。「チョセンチョセン(朝鮮)とパアカ(ばか) にするな。シャケ(酒)も飲む。ピール(ビール)も飲む。テンノへイカ(天皇陛下)ヒトツタ、とな」と続けた。
   けらけらと笑って話し方をまねる工員。高鍋さんが「かわいそうよ。はるばる連れてこられた朝鮮人をいじめるなんて。朝鮮人も天皇陛下の赤子だと言ってるのにさ」と返すと、「生意気だあ。女のくせして」とたたかれた。

     造兵廠内では徴用工が歌う朝鮮民謡の「アリラン」が広まった。哀調漂うメロディーを高鍋さんも気に入り、朝鮮語で口ずさんだ。「遠い古里を思い心を慰めるのは、歌しかないのだと想像した」
   当時の日本では、軍事施設のほか炭鉱の現場や造船、鉄鋼などの企業に多くの朝鮮人が連行された。敗戦までに強制労働をさせられた人数は約七十万人に上るとされる。
   高鍋さんは四五年二月、母の危篤を理由に造兵廠を脱し、新潟に戻った。残った同郷の人によると、八月の敗戦後、将校の一人が「朝鮮人が暴動を起こし、襲われるかもしれない」と不安がったという。
   実際には何も起きなかった。高鍋さんは「朝鮮の人たちに差別や虐待をして恨まれていると認識があったから出た言葉。関東大震災の後に起きた朝鮮人虐殺を思い起こす」と憤る。

   慰安婦問題を巡り、韓国国会の文喜相(ムンヒサン)議長が二月、天皇陛下の謝罪が望ましいとの見解を示した。当時の河野太郎外相は「極めて無礼な発言だ」と国会で非難した。
   この間題に高鍋さんは「植民地支配を受けた立場から歴史を見れば、議長の発言がおかしいとは思わない。私たちも朝鮮人も、皇民化教育を受け、天皇の名の下に徴用されたのは確か。徴用工も労働者と言い換えられるなど、今の政権は過去の加害から目を背けているのではないか」 と語る。

   高鍋さんは戦後、「教え子を戦場へ送らない」と小学校の教員を経て、子育てや文筆活動に力を注いだ。「太平洋戦争の開戦を『万歳』と喜び、アジアへの侵略を大東亜共栄圏づくりと信じた軍国少女だった。国家に思想を支配される恐ろしさを知っている。加害の歴史と真摯に向き合い、隣国と対話する努力をするべきだ。忌まわしい過去を繰り返さないために」と願う。

   続けて「こちら特報部」の論説を転載します。
   この論説も、またへまをして、後半部分を失くしてしまいました。ごめんなさい。

嫌韓 苦悩する在日コリアン3世・4世

 司法は守ってくれない
朝鮮学校の高校無償化 「除外は適法」上告棄却

 「韓国なんて要らない」記事 宗主国目線そのもの

FBコメントに罵詈雑言 「日本嫌なら出て行け」

【前文】
  最近のかつてなく激しい「嫌韓」の風潮にさらされ、若い世代の在日コリアン三世、四世が不安に襲われている。
  フェイスブック(FB)を荒らされ、テレビではコメンテーターが暴言とも取れる発言をする。子ども時代から北朝鮮による拉致問題や韓流ブームなどの影響を受けて育った世代は、何を感じているのか。 (大野孝志、佐藤直子)

   今月八日、専門学校講師文英愛(ムンヨンエ)さん(三五)=広島県福山市=のコメント欄に突然、罵詈雑言が書き込まれた。
  「日本から出てけ、死ね、日本で悪さばかりするな一。」
   文さんは、父が在日二世で母は三世。十年ほど使っていて、こんなことは初めてだ。
   八日だけで約四十件。知人のFBをフォローしている一人が書き込んだようだ。文さんは在日コリアンが税関で北朝鮮の土産を没収された問題や、「表現の不自由展」中止の反対を書いており、それへの反応が中心だった。

   警察に相談すると、相手を特定する捜査はできないと言われ、「差し迫った危険が生じそうになったら通報を」との対応だった。
   人権救済の申し立てを考え法務局に電話しても「弁護士に相談して」とだけ言われた。ヘイト対策法や、各地で禁止条例ができているが、現状では刑事罰はない。

   レストランで近くに座った中年の男性が「韓国人の知性は幼稚園レベル」と話しているのを耳にして動悸がしたことがある。食事中、知人の「反日」という発言が聞こえた時は食べ物の味がしなかった。「声を潜めて語られていた差別や偏見が、大きな声になってきた」

   「要るとか要らないとか、宗主国の目線そのものじゃないか」。東京都内の法律事務所に勤務する在日三世の李イスルさん(二九)は「韓国なんて要らない」と題した今月の週刊ポストの記事に、日本が朝鮮を植民地にした時代と変わっていないと感じた。
   李さんは小中高と横浜の朝鮮学校に通い、青山学院大法学部在学中、国が朝鮮学校を高校授業料無償化の対象から除外した。その後、除外は違法として元生徒らが起こした裁判を見守ってきた。先月下旬、最高裁が原告の上告を棄却。「除外は適法」とし元生徒らの敗訴が確定した。「日本の司法は朝鮮人を守ってくれない。淡い期待も打ち砕かれてしまった」と李さん。

   小学六年の時、北朝鮮による日本人拉致被害者が帰国。その日は何者かに危害を加えられる可能性を懸念し、教員に付き添われて集団下校。翌日から制服を着ないで登校した。「子どもながらに、いつもと違う空気を感じた」と振り返る。

       以後、日本社会の北朝鮮バッシングには驚かなくなったが、「今の朝鮮・韓国たたきは異常」と思う。

       高校無償化除外に反対し、署名集めを手伝ってくれた友人が、FBで安倍普三首相を支持しているのを見て気分が沈んだ。「私たちを苦しめている張本人を、事柄が変われば応援する。日本人の在日朝鮮人に対する無理解の根深さを感じて悲しかった。傷つくのが怖くて、私自身が内にこもってしまっている」

   今回で「嫌韓嫌中」問題」を終わります。
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 今日の話題3

「嫌韓嫌中」問題」(3)

   今回転載するのは9月14日に「こちら特報部に掲載された論説なのですが、またまたヘマをして、前半のページを失くしてしまいました。後半の半分だけですが、一応転載しておきます。

ヘイト過激化 「空想の中の憎悪」

日本社会に希望持てない

テレビで女性暴行肯定発言 慰安婦重なった

ストレスはけ口 相手の気持ち考えてない

    「韓国の女性なら暴力を振るってもいいと肯定する思考が怖い。慰安婦の問題に重なった」。
     在日三世で大学講師の三十代女性=東京都1がぽつりと語りだした。

    先月下旬、テレビ番組で男性コメンテーターが「韓国女性が入ってきたら暴行しないといけない」と発言した。
    韓国を訪れた日本人女性が暴行を受けた事件を話題にした際の言葉に、身震いがした。
    女性は父が在日二世、母は日本人。日本名を使って小学校から日本の学校に通い、「ルーズソックス」など女子高生カルチャーにも浸った。
    子ども時代を過ごした一九九〇年代は「多文化共生」が叫ばれた時代でもあり、露骨な差別を受けた経験はなかった。
    「朝鮮人であることを嫌だと思ったことはなかった、体が大きく朝鮮人として誇りを持っている父が、日本人の前では遠慮がちなのを見て不思議に思ってはいたけど」
    ただ、自分の出自を積極的には語らなかった。どんな反応を返されるか心配だったからだ。実際、差別を意識させられることは何度もあった。友だちが人気俳優やタレントを「あの人、在日だって」と話しているのを聞いた。役所の窓口では、朝鮮籍と知った職員に「あんた、かわいそうに。苦労するよ」と言われて戸惑った。
   だから、朝鮮名を名乗るようになったのは大字入学後。
   学生時代こ韓流プームが起きた。朝鮮が植民地にされた歴史などを学んで自分のルーツを改めて知り、自分は在日朝鮮人だと心底肯定できたという。

     最近は、過激になる一方のコリアンヘイトにがくぜんとする。在日コリアンの存在をきちんと伝える役割を担いたくて研究職に就いたのに「日本社会に希望持てないなと思うこともある」と顔を曇らせる。

   数年前、新宿で「在日特権を許さない市民の会(在特会)」のデモを見た時も驚いたが、今のような嫌韓は想像できなかった。「生身の人間に対するものではなく、虚構の中での憎悪。『朝鮮人臭い』と言うから朝鮮人に会ったのかと言えば、違う。直接知りもせず、好き勝手にヘイトの言葉を投げている。私たちの世代は空想の世界で嫌われているんです」

   在日三世の金洋武(キムヤンム)さん(二六)=埼玉県川口市=は嫌韓、特にテレビのワイドショーのコメンテーターの発言に、こう思う。
   「普段の生活で感じるストレスのはけ口として、日韓、日朝問題を捉えている。攻撃できる対象を探しているような…。言われる相手の気持ちを考えていない」

   祖父母は朝鮮半島東部出身。南北に分かれる前の四〇年代に日本に来たので、金さん自身、自分の出身が北なのか南なのか気にしていない。幼稚園から高校まで愛知県内の朝鮮学校に通った。朝鮮学校は各種学校として扱われるため、高校卒業資格を取得して県内の私立大に進んだ。
   自立した生き方をと税理士を目指し、今月から都内の税理士事務所で働いている。常に本名を名乗り、友人たちは自分の出自を知った上で、普通に付き合ってきた。だからこそ、最近の日本政府の排他的な動きに「悲しくなる」という。「報復外交、制裁外交じゃないですか」

   差別や偏見を隠すこともない、口汚いヘイトの前に在日の若い世代は苦悩している。FBを荒らされた文さんは言う。
  「戦争前夜みたい。関東大震災の時の朝鮮人大虐殺が、今の世の中で起きてもおかしくなと思えてくる」



 【デスクメモ】
   在日コリアンが多く住み、ヘイトデモが繰り返されてきた川崎市は、ヘイトスピーチに罰則刑を科す全国初の条例制定を目指している。表現の自由との兼ね合いで罰則には反対意見も多いものの、ヘイトを止めるには他に方法はないと指摘する専門家は多い。同市の動きに注目したい。(千) 2019・9・14


今日の話題3

「嫌韓嫌中」問題」(2)

   今回転載するのは9月13日に「こちら特報部『ニュースの追跡』」欄に掲載された論説です。

ヘイトは日本むしばむ

「嫌韓」あおり 敵視が当然の風潮

NGO4団体声明 親日・反日の二分法は危険

 【前文】
  一連の「嫌韓」あおりは、在日コリアンをはじめ、日本に暮らす移民やマイノリティーの人権と尊厳を脅かしているとして、「外国人人権法連絡会」などのNGOが12日、記者会見して声明を発表した。
  「嫌韓」だけでなく、特定の国や民族に対する憎悪が肯定される状況は、日本社会そのものをむしばむことにならないか。
   NGO関係者や識者は警鐘を鳴らす。  (佐藤直子)

   四団体がまとめた声明によると、新日鉄住金(当時)に対し徴用工への賠償を命じた昨年十月の韓国大法院判決の後、日本国内では「嫌韓感情」が急速に悪化。在日コリアンら朝鮮半島をルーツに持つ人びとが日常生活において差別的言動に傷つけられていると指摘した。 その上で
    「国と国の対立の問題としてばかり取り扱われることで、十分な事実理解を伴わない感情的な反応が生み出され特定の国民・民族を貶め、差別を煽るヘイトスピーチ、ヘイトクライムとして表出されている」として、日本政府や日本社会がこうした事態を終わらせるよう求めている。

    四団体の一つ外国人人権法連絡会の師岡唐子弁護士によると、今回の声明は、九月二日に韓国大使館に八月、銃弾一発と、「韓国人出て行け」と書かれた封書が送付された事件が発覚したように、ヘイトクライム発生の恐れが具体化し在日社会に不安が広がっているため、緊急に必要だったとする。
    「不特定多数に自分が在日だと知られるのを恐れ、受付で名前を呼ばれる病院に行けなくなったとか、電車に乗れなくなったと言う人もいる」

   会見に出席した川崎市在住の在日二世金秀一さん(五七)も
   「自分を隠さずに生きたいと四十年前に日本の通名を使うのをやめ、それからは本名で生きてきた。日本の人と在日コリアンが仲良くすべきと願ってきたが、今は四十年前と同じような息苦しさがある」
と不安を口にした。

   一方で、声明では
     「『親日/反日』のような単純な二分法で『日本』に忠誠を迫る言説は、それ以外のマイノリティーにも生きにくさを感じさせている」 として、
   在日コリアンだけの問題ではない点も指摘している。このような二分法的な考え方が広まることは、日本社会自体をむしばむことにはならないのか。

    師岡氏は、今回の嫌韓を考えるキーワードとして「反日」を挙げる。
    「韓国人が日本政府を批判したときに、韓国人に『反日』のレッテルを貼る傾向があるが、それは危険だ。国家と個人は別なのに、一体化した感覚に陥っているからだ。それは『お上意識』となり、国への批判を許さないというムードにつながる。実際、戦時中には国家を批判した人は『非国民』となじられた」
    ひいては、戦後築いてきた民主主義の崩壊にもつながると危ぶむ。
   「属性や民族を十把ひとからげにして敵とみなし、攻撃することが今まさに起きている。ヘイトスピーチ対策法ではそれをしてはいけないと定めている。国がまず先頭に立ってこの風潮に対して批判すべきだ」

    一方、「移住者と連帯する全国ネットワーク」の烏井一平代表理事は徴用工問題について、
      「徴用工問題は日本の労働問題に直結する話だ」 と指摘。
      「戦時下に日本の戦争のために、朝鮮の人たちの労働力だけを切り取って使い捨てた。その人たちが個人として企業に賠償を請求する権利を否定することは、日本の労働者が企業(の不法行為)に対してモノを言う権利を否定することにつながってしまうのではないか」 と警鐘を鳴らした。

今日の話題3

「嫌韓嫌中」問題」(1)

   前々回の最後で、『いずれ「嫌韓嫌中」問題取り上げようと思っています。』と書きましたが、今回からその問題を取り上げることにします。
   まず、私がそのように思うことになった切っ掛けの記事の最後の部分を再掲載しておきます。


   私は「ネットウヨ」と呼ばれている人たちはほとんど若者と思っていたので、上の文中の「高齢者が多いネット右翼、そのシンパたちとも重なる部分が多いとされる。」を読んで、そんなに多くの愚民(高齢者)がいるのだと、びっくりした。たぶんこうした人たちがアベコベ軽薄姑息うそつきカルト政権を強く支持しているのだろう、とも思った。
   また、山口智美准教授の次の指摘には全面的に同意した。


   「慰安婦問題などの歴史修正主義や排外主義のおおもとは、日本会議などの運動の中から培われたもの」としているが、このような保守的思想は、「嫌韓嫌中」といった外国人排斥につながっていくケースも多い。

さて、「嫌韓嫌中」問題に関連した記事が東京新聞の9月12日~9月15日の朝刊に続けて掲載されていました。これを切り抜いて保存していましたので、これらの記事を日付順に転載していくことにしました。
  まず12日の記事ですが、『こちら特報部』の「話題の発掘」欄に「編集局南端日誌」として【席巻する「嫌韓」の煽り】という表題で掲載されたものです。転載します。

席巻する「嫌韓」の煽り

侵略の歴史直視せよ

   「嫌韓」の煽りが政治、メディアを席巻している。感情を排し、理詰めで考えたい。

   問題の発端は徴用工問題である。昨年十月、韓国の最高裁は元徴用工らが新日鉄住金などに対して賠償を求める訴えを認めた。そこで賠償を支払えば、済んだ話だった。
   ところが、日本政府が払うなと介入した。一九六五年の日韓基本条約に伴う日韓請求権協定には、請求権が「完全かつ最終的に解決された」と規定されており、二重払いになるという理屈からだ。
   だが、国レベルではない個人請求権はこうした条約に縛られないという解釈がある。これは日本の外務省の見解でもある。実際、請求権放棄を記した日ソ共同宣言があっても、元シベリア抑留者は強制労働の補償をソ連側に請求できるとの主張に適用された。
  ただ、この個人請求権は消滅しないという考えには異論もあった。中国人の強制労働などに伴う西松建設事件で最高裁は二〇〇七年四月、元中国人労働者に判決で支払いを命じられないと判断した。でも判決には被害救済を日本企業に促す一文があり、西松建設は謝罪と和解に応じた。

  こうした経緯を考えれば、今回の政府の介入は異様である。だが、前提である日本の統治(植民地支配)を合法と解釈すれば、話が変わる。つまり一九〇五年の第二次日韓協約や一〇年の日韓併合について、日本の加害性を認めるか否かが問題の核心なのだ。
  日韓基本条約(六五年)はこの点を曖昧にした。日本側は戦前の統治を合法とし、支払いも経済協力などと位置づけたが、日本の過去の侵略に憤る韓国では屈辱外交だとして反対闘争が広がった。しかし、ベトナム戦争など折からの冷戦激化に伴う米l国の圧力で「反共の砦」である両国は条約を結んでしまう。

  だが、九一年のソ連崩壊で冷戦が終結して以降、世界各地で植民地支配や民族差別への清算が活発になる。九四年には南アフリカで人種隔離政策が廃止され、二〇〇八年にはイタリアがリビアに過去の植民地支配を謝罪し、補償を支払った。今回の徴用工訴訟もそうした流れにある。

  一九九八年の日韓パートナーシップ宣言では「植民地支配」「痛切な反省」が記されたが、戦前統治の合法性は問わなかった。難局は好機でもある。今回の問題を日韓基本条約を再考する機会と考えられないか。歴史修正主義に溺れれば、孤立化は避けられない。 (特報部長・田原牧)

今日の話題3

続「安倍政権6年間の悪行・愚行」(50)

   私は「れいわ新選組」の山本太郎さんをもうずいぶん前から注目してきました。先の参議院選挙では「れいわ新撰組」を選びました。東京新聞(9月22日付)の「山本太郎さんへのインタビュー談話」記事を興味深く読み、その記事を切り取って置きました。前回予告しましたように今回はこの記事を紹介することにします。
   その記事は一面の【政治】欄と、その続きとして二面の【核心】欄に記載されていました。少し長くなりますが、全てを転載させていただきます。
【政治】欄の記事

憲法変えようとする人 怪しいと思え

《前書き》

    れいわ新選組の山本太郎代表は本紙の単独インタビューに応じ、安倍政権が目指す改憲に
「現行憲法を守らずに変えようとする人間たちは信用するな、怪しいと思え、ということ」と反対する姿勢を示した。
    次期衆院選で消費税率5%への引き下げで野党が結集し、政権交代を目指す考えを強調した。 (大野暢子)

    山本氏は憲法が守られていない例として
    「いちばん分かりやすいのが二五条、生存権だ。『健康で文化的な最低限度の生活』ができている人がどれだけいるのか」と指摘した。
    憲法九条への自衛隊明記や、有事に政府への権限集中を認める緊急事態条項の新設などを掲げた自民党の改憲四項目については
   「本丸は緊急事態条項。全て内閣で決めて首相の思い通りにできる。国会はいらなくなるということ」と批判。
   「自衛隊の明記が大きな問題として取り上げられる可能性があるが、明記しようがしまいが、緊急事態条項が通れば何でもできちゃうって話だ」と訴えた。

    十月から税率が10%に引き上げられる消費税については
    「収入の少ない人ほど負担が大きくなる。この国を弱らせてきた原因」と指摘。
    次期衆院選では、れいわが掲げる税率5%への引き下げを野党の共通政策とすることで「消費税を争点にし、減税で人々の生活をどう守るかというカードを出す」との構想を示した。
    引き下げに慎重な立憲民主党や国民民主党には
    「万年野党で居続けるか、政権交代を起こすかだ」と連携を呼びかけた。
    一致できなければ「政権交代する意思がない」として、小選挙区での候補者調整に応じない可能性も示唆した。

    山本氏自身の二〇二〇年の東京都知事選や次期衆院選への立候補を含めた今後の去就は
    「全ての可能性を排除しない。山本太郎というカードを最大限に生かせる選択肢を選びたい」と語った。

    れいわは今年四月、参院議員だった山本氏が政治団体として設立。七月の参院選は比例代表で二百二十八万票を獲得し、重度障害者の二人が当選した。れいわは政党要件を満たしたが、山本氏は議席を失った。

    山本太郎さんの略歴

   1974年、兵庫県宝塚市生まれ。91年に俳優デビューし、映画やドラマに出演。2011年の東京電力福島第一原発事故をきっかけに反原発運動を始める。13年に参院選東京選挙区に出馬し初当選。14年、「生活の党と山本太郎となかまたち」に合流し、共同代表に就任(16年に自由党に改称)。19年4月、自由と国民民主党の合流に加わらず、政治団体のれいわ新選組を立ち上げた。


【核心】欄の記事

「生きていたい」世の中に

《前書き》

 れいわ新選組の山本太郎代表は本紙のインタビューで、消費税率5%への減税での野党結集と、政権交代への意欲を語った。消費税減税は、生活に困窮した人たちが「自分ごと」として受け止めることができる経済政策だと指摘。減税で生活を引き上げる必要性を訴えた。 (大野暢子、清水俊介)

「野党は希望ある経済政策を」

■風穴■
-れいわ新選組は何を目指しているのか。
    「死にたくなるような世の中から、生きていたいと思える世の中にしたい。年間の自殺者数が二万人、自殺未遂も五十万人を超える。これだけの人たちが追い詰められる世の中は完全に壊れている。子供の七人に一人、高齢者の五人に一人、単身女性の三人に一人が貧困状態にある。地獄のような状況から脱却する政治を考えなければいけない」

-先の参院選で二議席を得た。
    「生活に困窮している人たちでなくたちでなく『自分だけ助かってもどうしようもない』と考えている人、社会全体が底上げされなければならないと理解している人も応援してくれている。(国会のある)永田町で、空気を読まず本当のことを伝える、政治に風穴を開けてくれるとの期待感だと思う」

■連携■
-「安倍一強」と呼ばれる政治状況をどう変えようと考えているのか。
    「これまで野党が一番弱かった経済政策に力を入れる。自民党はやり過ぎだという声が非常に多いのに選挙では野党が負けてきたのは、希望がある経済政策を打ち出せなかったからだ。『立憲主義に基づいた政治を』との主張は大切だが、それどころじゃない。厳しい生活を少しでも楽にする政策は何なのか、具体的に話さなければいけない」

-消費税率の5%への引き下げでの連携を、他野党に呼びかけている。
    「大半の人は一日に一回は消費税を払っており『自分ごと』として引き寄せやすい。参院選では5%を野党の共通政策にしたかったが、増税凍結で止まった。次(の衆院選)は消費税を争点にする。減税で人々の生活を引き上げることを揚げれば、政権交代は近づいて来ると思う」

ー立憲民主、国民民主両党は5%に慎重だ。
    「これまでの選挙の総括ができていない。自分たちの経済政策は人々が求めるものではないという(選挙)結果が出続けていることを、意識しなければいけない。万年野党で居続けるか、次の選挙で政権交代を確実に起こすのかだ」

■象徴■
ー安倍晋三首相は改憲に積極的だ。
    「憲法二五条が定める『健康で文化的な最低限度の生活』ができている人がどれぐらいいるのか。現行憲法を守らずに憲法を変えようという人たちは信用きない」

-重い障害がある舷後靖彦、木村英子両議員への期待は。
    「二人は超党派で物事をまとめ上げていくシンポリック(象徴的)な存在だ。与野党、心ある人たちをつないでいく。障害者という立場から、消費税増税が(生活を)直撃することについて、いろいろな投げかけができるだろう」

-議員復帰を目指す考えは。
    「自分が議員であるかないかは関係ない。世の中が変わっていけばいい。この先、いろいろな選挙がある。参院埼玉選挙区補選や(一〇二〇年の)東京都知事選、衆院選など全ての可能性を排除しない。山本太郎というカードを最大限に生かせる選択肢を選びたい」

広目天の怒り
広目天

怒りは静に深く沈潜させ
より遠くまで射抜く眼差しとなせ。
その眼差しをもって
自由と民主を食い荒らす邪鬼どもの
あさましい心底を射抜き
踏みしだくまで反逆せよ
邪鬼